2005年6月7日火曜日

blog != 個人サイト?

なんでこんなにblog(はてなでもmixiでもなんでもいいけど)が流行るのだろう、って僕も考えてみた。blogをやるとblogについて語りたくなるってのは本当かも(笑)。

まずネットインフラの変化はとても大きい。常時接続がなかった時代はフォームで更新、なんてありえなかった。また、画像をたくさん貼ったページをトップに持ってくることもありえなかった。でも、今はそんな心配はあまりない。
企業が無料で提供しているのも大きい
もちろん、htmlを知らなくても作れるのも門戸開放だ。
でも、そんなことよりももっと大きな理由があるような気がするのだ。

僕はずっとblogとは新しいタイプの「個人サイト」だと思っていたんだけど、実は掲示板から発展したコミュニケーション・ツールでもある、と考えたらいろいろと合点がいく。
僕はwebサイトとはコンテンツありきのもの、って考えていたんだけど、blogはそもそもそこの前提が違う気がする。

自分の中では「掲示板的なもの」つまり他人と何かの意見を交換したい、という欲求は最初から欠落してた。つまりインターネットをコミュニケーションの道具としてではなくて、コンテンツを作って配信する手段、という感覚を持っていて、この感覚はずっとあったし、今もある。
なにせチャットなんてネットゲーム内でしかやったことないし、IRCも全然興味なかった。サイトには掲示板がなかったし。
そして僕はみんなが自分と同じ感覚を持っているのかと思ってたけど、実は(少なくとも現在は)それは少数派なのでは、と気づいた(遅い!)。

自分が多くのblogを読んで「中身がないなぁ」と思うのも当然で、そもそも「中身」を持とうと思っている人が少ない。コミュニケーションのきっかけ、と思って日記を書いたりニュースをクリップして感想を書いたりしているのかも。過去記事へのこだわりがないのも、そういう理由からだろう。確かに僕も過去のメールは、情報として保存してるけど、こだわりはない(消えてもショックじゃない)。

僕はサイトに「中身」がないことにはずっと批判的だったけど、それは違うんだとも思った。目的がはなから違う。同じ道具を使っていても、したいことが違うし、もしかすると彼(女)たちの方が、よりネットならではの使い方をしているのかもしれない、つまり正しいと。「中身」がなくてもつながること自体に面白さがある、という点では携帯のメール交換とかに近いのか。だとすると、携帯メールは帰宅する際に定型文を発信するだけにしか使わない僕は、サイトをそういうふうに使うことは、やっぱり興味が持てない。

かつては何か言いたいことがあったり、コンテンツを配信したい!という強い思いがないとwebサイトを立ち上げるというハードルを越えられなかった。
でも環境が用意されて、個人webサイトのあり方自体が変わったんだなぁ。

ちょっと話は脱線するんだけど、狭義の「テキストサイト」とよばれるサイト群を僕があまり読まないのもずっと自分で疑問だった。でも今回いろいろ考えてみて、僕はたとえば「読書」と同じようなレベルで「ネット」というものが好きなわけではない、ということにも気づいた。テキストサイトとはネットが好きな人たちのための読み物だと、僕は思う。
そして「ネット」でネタを求めたり「祭り」があれば見に行ったりということ自体が楽しい、という人がいるということを初めて意識した。「2ちゃんねる」という場も、そういうものを提供するのに適している。
それは「テレビそのものが好き」という人がいることをナンシー関の本を読んで初めて知ったのに似ている。
ところが僕はネットに、現実に持ち帰ることができる情報を期待しているのだった。

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では、先に書いたネットの世界観を今も持ち続けている自分は、今後ネットとどういう関わり方をしていけばいいのだろう?コミュニケーションの手段としてなら、もうサイトをやる必要はないし、しかしまだまだ発表したいコンテンツは尽きない。
でも、今までのやり方では新しい読者は増えそうもないのも事実。

たぶん、1人ミニコミを作ったのもその実験だったんだと思う。もしかして、違う場所にコンテンツを求めてる人たちがいるのか?……でも、とくにいなかった(笑)。
僕が文学フリマで本を売った後に感じた「疲れ」というのは、たいして本が売れなかったことじゃなくて(というのも自分としてはあんなもんだろ、って思ったから)、「じゃあ、この後どうすればいいんだろう?」という思いだったんだんだろう、今にして思えば。

それ以後、ここ半年ぐらいずっと悶々と考えていたんだけど、その一つの解答がblogの導入だった。
それまで単に「更新を簡便にするけど、レイアウトの自由度があまりないwebツール」だと思って興味外だったblogが、pingによって自らの存在を発信している、ってなことになんとなく気づいて(blogをやってる多くの人は、意外とこのことがどういうことか気づいてなくない?)、「うわ、そりゃずるい」と自分もその仕組みを享受して宣伝・営業活動をしようと思い立ったのだった。

ホントは自分のサイトからRSSを吐き出して、pingを送る仕組みを入れればそれでよかったのかもしれないけど、もう一つトラックバックの存在があった。トラックバック、って名前から機能が分かりにくいのと安易な強制リンクになる点は問題があるけど、わりと自分が理想とするつながり方に近い。少なくともコメント機能よりもずっと。
でも、こればかりはさすがに自分で作るには相当な労力がかかりそう。

そんなことをウダウダ考えているところに、前に書いたようにblogが吐き出すRSSをcgiでキャッチして表示させることができることを知って、これだ!と思った。これがあれば、静的な作りのwebサイトと動的なblogを簡単につなぐことができる。

だから僕にとってこのblog「ニッチ帳」というのは完全に本家サイト「ポップ万国博覧会」の「宣伝・営業活動」と割りきってる。そもそも本家にあった旧「ニッチ帳」自体も更新頻度をあげるためと割りきってやってたものだし、それをトップページに表示するようにしたのは早く書くために内容にいまひとつ責任が持てないため、過去の分をあまり残したくなかったのもある。

でも、これだって一過性の対応でしかないかもしれない。僕も含めた「趣味系サイト」が今後どうやっていくのかにはとても興味がある。

近いうちにそれらのことをまとめたテキストをアップするつもり。いつものように長すぎてまとめるのが大変……。

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