2007年9月30日日曜日

ジロウ物語

ここ何年間かは、必ず「何か読もうと思っている本がある」=いわゆる積ん読状態が続いていたんだけど、先日ようやくそのストックがなくなった。
スッキリした反面、会社の行き帰りに読む本がないと困るので、結局本屋でなんかないかなぁと文庫、新書を中心に探しているとこんな本が目につき、

青山二郎の話 (中公文庫)
宇野 千代
4122044243


面白そうだと手に取ってパラパラ……と中身を見ているうちに、重大なことに気づいた。

僕は今の今まで「青山二郎」と「白州次郎」を同一人物だと思っていたのだ!!!

いやぁ、最近やたらと白州次郎に関する本が出てるなぁと思っていたんだけど(なんか最近観た「モーターサイクルダイアリーズ」のチェ・ゲバラのような扱われ方の印象)、芸術にも精通していた政治的な人、と思っていた。

この間違いは何で起こったかというとこんな本があるから。

いまなぜ青山二郎なのか (新潮文庫)
白洲 正子
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白州正子は白州次郎夫人で、青山二郎の弟子。これがすべての始まり。
あと、こんな本もあって

風の男 白洲次郎 (新潮文庫)
青柳 恵介
4101227217


著者名に「青」がついてるだけでなんか混同に拍車をかけていた(笑)。

これで自分が興味あるのは青山二郎だということがはっきりとして先の「青山二郎の話」「いまなぜ青山二郎なのか」を連続で読んでみた。

生まれついての金持ちってお金を楽しく使う方法を知っているよなぁ。だからボンボンにはかなわねぇや、と思う。そういう人って財産があるかどうかなんて関係なく、とにかくお金を使う。借金していてもまた借金をして(それができるのも自分の出自を担保にできるからなんだろうが)、それを使う。
青山二郎の場合、それを自分の美意識のためだけに使った、というところにその天才性があるんだと思った。とても近くにいてほしい人ではないけど、この二人の女性からみた人物像は面白い。
魯山人のように残したものがほとんどないからあまり評価されないようだけど、そういうことすらどうでもいいと思っていたところもすごい。

そういや、昨年中公文庫の復刊で彼の本が出てたなぁ。

眼の引越 改版
青山 二郎
4122047064


今はもう絶版なので、買っときゃよかった。同時期に出た「武井武雄/本とその周辺」は買って正解だっただけにちょっと悔やまれる。

2007年9月27日木曜日

きどりっこ

自分のPCの中には、このblogを書くためのネタ帳テキストファイルがひとつあって、そこにメモとかちょっとした書き出しの文章とかが貼り付けてあったりするんだけど、ずっと

「高橋幸治/MACPOWER編集長」

というメモがあった。
雑誌「MACPOWER」について書こう書こうと思っていたんだけど、なんと今月号をもって休刊。

もはやMacユーザーではない僕がどうしてこの雑誌について書きたかったかというと、この雑誌が2000年代には珍しいぐらいに「きどっている」からなのだった。
2年ぐらい前にリニューアルした際に、Appleを中心とする情報誌から、Appleを好きといいそうなクリエイターやそういう人に憧れる人たちのための雑誌、みたいになった。この時は「あらら」と思ったんだけど、リニューアル前のマック情報誌のままでは先は短いだろうなぁとも感じてたから、思い切ったなぁという印象ではあった。また、リニューアル前よりも面白いとも思った。

で、このリニューアルを行ったと思われる編集長「高橋幸治」ってのはどんな人だろう?と思って調べてみると、ネット上での孫引きになるけど

1991年、電通に入社。CMプランナーとして広告制作に携わった後、94年アスキーに入社。2001年『MACPOWER』編集長に就任。


とのことで、なるほど。この雑誌がやたらと「クリエイティヴ」という言葉を連発したり、デザイナー、フォトグラファーをありがたがって取り上げていたのが何となく分かるような。あと、連載の人選が90年代っぽかった、もっというと「少し前に旬だった人、今は仕事の内容はともかくけっこうネームバリューがある人」が多かったのも特徴だった気がする。先日、沢尻エリカ(ってどんなルックスなのかピンとこないが名前はよく聞く)と熱愛報道があった(笑)高城剛とかふつうに持ち上げてて、びっくりしたもん。

それにしても、きどって(た)んだよなぁ、この雑誌(笑)。もう表紙からしてきどってたもん。それがイヤだったかというけど、鼻につくけど嫌いではないという感じではあったけども。
ただ、売り上げ以外の事情もあるとは思うけどもやはりこの「きどり」は今ではウケないんだなぁ、きっと。

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きどる、といえば先日読んだこの本もなんかきどってた。

フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫 よ 29-1)
吉田 篤弘
4101324514


クラフト・エヴィング商會の片割れで、ちょっと不思議な連作?短編集。村上春樹から本質を抜いたような感じで、中身はないんだけど雰囲気は楽しめた。最近はあまりない気がするミニシアター系の映画のような感触。
これぞ「きどりっこ文学」。

2007年9月18日火曜日

走れケサブロー

11月公開の「ALWAYS 続・三丁目の夕日」にあわせてこんなアイテムが!!

トミカリミテッド ALWAYS 続・三丁目の夕日 ダイハツミゼット
B000ULAS0G


前作「ALWAYS 三丁目の夕日」のミゼットが走るトレイラーを見て劇場に足を運んだ僕としては、ドンピシャリな一品。
以前こういうロゴがついているようなアイテムは避けがち、と書いたけど、まぁシャアザクみたいなものと思えばOKてなところだろうか(違う?)。写真では映画同様ウェザリングが施されているのが確認できるけど、映画に出てくるミゼットは珍しい寸胴のタイプだったので、印象はやや違いそうな気はする。
ちなみに、この映画の舞台である昭和33年にはまだこのタイプのミゼットは出てなかった(けど監督があえて採用した)というのは有名な話。

映画としての続編はどうなんだろう?トレイラーではスバル360が走ってたけどなんかCGぽい気もした……。前作ではちゃんとマニアから車を借りて走らせたりしてたので、今回も同様にお願いしたい。


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相変わらずこんな調子で、昔の車の展示会(ex.クラシックカーミーティング)なんかがあると時間と場所さえあえば足を運ぶんだけど、2007年9月16日(日)・17日(月・祝)「江戸東京たてもの園」にて「たてものとのりもの」というイベントをやっていたので、愛娘と二人で出かけてきました。
園内にはマニアが持ってきたらしい今でも走る車たちがたたずんでいる。
車種は
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トヨペットコロナ
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いすゞヒルマンミンクス
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スバル360
移動する際に走っていたのを目にしたけど、ムチャクチャかわいかった。
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トヨペットマスターライン
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マツダK360
マツダK360は意識してみるのは初めてで、その小ささに驚き。いやぁ、三輪軽自動車はいいなぁ。そういえば、少し前にトミカリミテッドビンテージのマツダK360[3nd Anniversary]をゲットしました(ちなみに3ndというのは僕の書き間違いじゃなくて箱にそう書いてあるんです;恥)。
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こうして実物と比較すると目(ヘッドライト)がやや頼りない感じがします。でもこのピンク色ってのが実物ではまずありえなさそうなのに不思議と似合っていてミニカーならではの魅力的なアイテムに仕上がっていると思う。
今後、トミカリミテッドビンテージでミゼット(バーハンドルのDK型)、三菱ペットレオなどが出るらしくて、先述の鈴木オートミゼット含めて「三輪軽自動車祭り」てなところ(そういやEBBROからも1/43ミゼットが出てたなぁ)。

2007年9月16日日曜日

「観なけりゃいいじゃん!?」

ネット時代になり、しかもblogが普及してからというもの、素人の映画レビューと簡単に出会うことができる。自分だって書いてるし。

そんな状況で、時々自分が観た映画に対してみんなはどういう感想を抱いているのだろう?とそういうレビューを読んでみることがあるが、一番真っ先に思うのは、「つまらなかった」と書き捨てる前に自分の映画に対する選択眼のなさを恥じたらどうか、ってことだったりする(笑)。「つまらない」というのは簡単だけど、そのつまらなさが何なのかを指摘してないことが多いし。

最近だと「トランスフォーマー」の感想で「ロボット好きの人が見たら面白いと思いますが……云々」て、あなたはなんで「トランスフォーマー」を観ちゃったの!?とか。「ドリームガールズ」なんかでは「モータウンとかダイアナ・ロス&シュープリームスって単語知ってる?」って言いたくなったり。もっともそういう予備知識や偏った趣味がないと楽しめない、というのもそれはそれで問題ではあるんだけども、少なくとも伝記物とフィクションでは鑑賞の仕方は結構違ってくると思う。

あと仕方ないかも知れないけど、脚本の脇が甘いと全否定、ってのも多い。分かる、分かるんだけども、映画の楽しみは決してそれだけじゃないはず。

ところで脚本といえば孫引きになっちゃうけど

「日経エンタテインメント!2007.5月号」(日経BP社)の記事「インサイドレポート」の「映画業界」の項より。

��中略)

この「なりきり映画」ブームの背景には、ハリウッド映画業界が抱えるいくつかの問題点が深くかかわっている。1つは、オリジナルストーリーを書ける脚本家の不在だ。原因は、脚本家に対する待遇の悪さにある。今や映画は劇場公開の後、DVDやネット配信など2次使用の機会が多く、著作権料はそのつど発生する。そのことを盾に、製作者が最初の脚本料を低く抑え出したのだ。

しかし、必ずしもすべての映画が大ヒットし2次使用に恵まれるわけではないので、脚本家は映画だけでは生活できず、テレビ界へと活躍の場を移しつつある。最近、海外ドラマが好調なのはこうした要因もある。


これ、面白いなぁ。「なりきり映画」ってのはそれこそたとえば「ドリームガールズ」がそうだけど、伝記物、もしくは実在の人物をモデルにした作品。確かに最近やたらと多い。僕はその手の作品が好物なのでうれしいけど。
あと、リメイクが多いのもこの辺の事情があるのかもね。

2007年9月14日金曜日

イメージのうた

会社も10年以上もいると折衝、説得、根回しなどいろいろやらされるわけだけども、そこでつくづく思うのは

いかに自分の頭の中のイメージを伝えるのが難しいか

ということと、

いかに自分のイメージが伝わっていないことに人は気づきにくいか

ということである。

自分の頭の中にある漠然としたイメージがどこまで相手にきちんと伝わっているかということに関して、ほとんどの人は無自覚である。だから明らかに話がかみ合ってないにもかかわらず、お互いに自分のイメージは伝わっていると思っているから話だけは続き、会議は踊る、されど進まず。

それぐらいイメージを伝えるというのは難しいことで、そもそもイメージをきちんと整理すると(=企画書や仕様書にまとめると)明らかに矛盾していたり破綻していたりというのは日常茶飯事なのである。でもそのイメージが持つ力というのはバカにならなくて、それを大事に育てていくのが仕事ともいえる。

はたして、イメージを持てる動物というのは人間だけなのだろうか?犬も漠然とした「なんか面白いこと」「なんかおいしいもの」なんてことを夢想していたりするのだろうか?
僕はこのイメージを持てる、というのが人間が持つ大きなアドバンテージなんじゃないかと思ったりもする。

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ところで、僕は決して折衝、説得、根回しなんてものが得意な人間ではない。なのに、そういうことをやることが多いのは、単純に周りの人が下手すぎるからなのだ(怒)!!
ホントにみんなワガママで、しかも自分の意見が通らないと平気で放置プレイにしたりするので、おっかない。その結果「ずっと俺のカイギ!」な日もあって、泣ける。
生まれ変わったら、ワガママな人間になりたい……。
��
余談ついでに「ずっと俺のターン!」って、実際の「遊戯王」の中にそんなセリフはなくて、「そんなセリフを言ってそうな状況だった」ということらしい。
同じように、2ちゃんねるなんかで体型が不自由な人を「ピザ」というけど、元々は「ピザデブ」で、もっとさかのぼると「なんかの映画の『ピザでも食ってろデブ』っていうセリフ」らしい。
けれど、その映画が何なのかを適切に挙げているサイトに出会わなかった。これも、なんとなくそんな内容のことを言ってただけで、該当するセリフはないんじゃないか、と思ったり。
そんな、「実際にはないけど、イメージが一人歩きしたもの」ってけっこうあるような気がする(と、一応話を戻してみた)。

2007年9月13日木曜日

男の秘密基地

所ジョージというタレントは決して好きじゃないし(キャラクターはともかくギャグがつまらなさすぎる)、最近ムックなどでよく紹介される彼の趣味に関してもあんまり共感はできないんだけど、BS-fujiで放送している「所さんの世田谷ベース」は楽しく見ている。

この番組は所さんの仕事場兼遊び場であるガレージ「世田谷ベース」で清水圭とだらだらしているところを写しているだけという内容なんだけど、所さん自身が言っているように、ウンチクも含めて何も伝えようとしていない、見てもなんの役にも立たないところがよいと思う(けどついつい所さんは役に立つことをもったいぶりながらも言っちゃうんだけど)。

だけどこの番組が成立するのは、これまた所さん本人が言っていたけど、ハイデフ映像だからだと思う。地デジなどデジタル放送は実は趣味的な番組にとってはとても有効で、たとえば画面を写真のような感覚で見ることができる。「動く雑誌」とでもいおうか。だから魅力的な被写体があるとそれを写していても番組として成立するのだ(あくまで一部の人にとっては、だけど)。これは今までのテレビの見方とずいぶん異なる。

だからなのか、BSデジタルはなんかやたらと趣味的な番組が多い印象がある。車、旅行、鉄道模型、料理……。というか、こんなんでしかもCMも少なくてなんでペイしてるのかむしろ心配。地上波の儲けで、実験場として番組を作ってるんだろうか?

無料だし、面白い番組多いからいいけど。

2007年9月12日水曜日

「体調不良」の真実

会社も10年以上もいると管理職的なこと(管理職ではなく、勤怠管理とかそんなの)をやらされて面倒なわけだけども、そういうことをやっていて初めて

社会人の「体調不良」は、体調が不良であることを意味しない

ということを知った。
それまで僕は「体調不良」というのはホントに「布団から出られません、ひー」てな状態かと思っていたし、自分が「体調不良でお休みします」というのは、実際にそういう時である。

ところがよく、昨日体調不良で休んだ人が次の日ぴんぴんしてるのを見るにつけ、ははぁ、体調不良というのは「お休みの言い訳におけるワイルドカード的なもの」なんだな、と知ったのだった。

個人的には有休は権利だから、とくに会議や急ぎの仕事もなくて「今日は今ひとつ仕事がやる気しないなぁ」なんて場合には「私用で休みます」とか言っちゃえばいいのに、と思う。

というのも、本当にその人が体調不良で休みだとしたら、しばらく仕事の戦力としては100%じゃないかもしれなくて、へたするとヘルプが必要だったりするかもしれない。だから、休みの理由は正しく伝えてほしいのだ。

そもそもたとえば「3日風邪で休んだ」てのと「3日沖縄で遊んできた」というのは、実は後者の方がその人のリフレッシュにもなってるし、風邪もうつさないしで会社にとっては有益なはずなのだ。

それでもやっぱり「遊びで休みます」とはなかなか言えないのが日本の会社の限界なのかもなぁ……。

2007年9月9日日曜日

LUPIN! LUPIN!! LUPIN!!!

行ってきました。

『ルパン三世のテーマ』30周年コンサート
“LUPIN! LUPIN!! LUPIN!!!”
Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends
09月08日(土)品川ステラボール

意外にも僕は「ライブはスタンディングがよい」と思っていて、シートありのライブはなるべく避けたい。
だけど以前から大野雄二のライブには行ってみたくて、しかも今回は30周年記念ということで大きめのホールだからおそらくゲストも豪華だろうという読みもあり、チケットを購入(しかし、一番後ろの席;涙。その後完売だったから、取れただけでもラッキーだけど)。

最近の大野雄二はYuji Ohno&Lupintic Fiveというバンドでルパンのライブをマメにやっているらしい。でも、この編成(下記参照)だと僕が期待してるサウンドは再現できそうにないなぁと思ってただけに、今回のライブはビンゴ!だった。



その編成はこちら。
Lupintic Five
ドラム:江藤良人
ベース:俵山昌之
トランペット:松島啓之
サックス:鈴木央紹
ギター:和泉聡志
トランペット:数原 晋/奥村 晶
トロンボーン:中川英二郎
バリトンサックス:つづらの敦司
フルート:中川昌三
ラテンパーカッション:岡部洋一
ビブラフォン:大井貴司
ハモンドオルガン:金子雄太
コーラス:伊集加代(子)/佐々木久美/広谷順子
ボーカル:ソニア・ローザ
司会:西尾由佳理
ソニア・ローザと伊集加代子改め伊集加代がおお!という感じ。
ドラムの江藤良人氏は綾戸智絵やオレンジペコーのバックでも叩いているとか。僕と同じ年齢。
トランペットの数原晋氏、フルートの中川昌三氏、ビブラフォンの大井貴司氏あたりはオリジナルのレコーディングメンバーだとか。すごい。
ただ最後の司会者が不安材料で、案の定答えにくい質問をミュージシャンに投げかけたりして見ていてハラハラした。もうちょっと落ち着いたトーンのアナウンサーを用意できなかったのかなぁ?
曲目はたぶんこうだったと思う。★マークは個人的によかったと思った演奏。
・ルパン三世のテーマ
・スーパーヒーロー
��バンドメンバー紹介。長い;笑)
・サンバ・テンペラード
��ソニア・ローザ登場。若い頃のジャケでしか知らなかったので、おばあさんが出てきてビックリ。でも声はそのままでした)
・ラブ・スコール(ボサノババージョン)
・ルパン三世のテーマ(ボサノババージョン)
・フェアリーナイト★
��バンド演奏に戻る)
・TORNADO(次元大介のテーマ)
��西尾由佳理によるインタビュー)
・ZANTETSUKEN(五右衛門のテーマ)
・ZENIGATA MARCH(銭形のテーマ)★
・炎のたからもの(ボーカル:佐々木久美)★
・メモリー・オブ・スマイル(ピアノトリオ)
・大野雄二オリジナル曲(曲名分からず)
・ルパン三世愛のテーマ★
・ルパン三世'80★
��アンコール)
・炎のたからもの(ピアノソロ)
・HOLY BUT EASY(フルバンド)
ファンキーな曲がブワッとクるのを期待してたけど、その手の曲は椅子に座っているせいかそれほどでもなく、フルートとソプラノサックス?がパラリラリ~と鳴ってるような、どちらかというとエンディングテーマのようなしっとりとした曲の方が、ここでは魅力的に聞こえた。とくに中川昌三氏のフルートが素晴らしかった。これぞ大野雄二サウンド!って感じ。ちなみに五右衛門のテーマなどの尺八の音は彼のフルートでした。
ファンキーな曲だと「サンバ・テンペラード」や「ルパン三世'80」がよかった。
大野雄二氏が言っていたけど、「サンバ・テンペラード」とかオリジナルアレンジの「炎のたからもの」あたりはこういう編成じゃないとやれない曲だから、今日来た人はラッキーだとか。「ルパン三世'80」もヴァイブが入ってこそだから、そういう曲のひとつでしょう。
でも派手な演奏だった大野雄二オリジナル曲は、この時に妙に空調が暑かったのもあって寝ちゃった(笑;今朝は早朝に子供に起こされ、睡眠時間が少なかったのもある)。映画のアクションシーンとかカーチェイスで眠くなるのに似てます。
それにしてもLupintic Fiveのアルバムですら取り上げられないから当たり前だけど、「Love is everything」は演奏されないなー。リミックスアルバムですら黙殺だし。「炎のたからもの」がよくて「Love is everything」がだめな理由が分からない。一応、コンサートの感想用紙に書いて出しておいたけども(笑)。
こないだのテレビスペシャルで「ルパン三世愛のテーマ」を歌ったらしい今井美樹が客席に来てて、ステージから紹介されてた(姿は見えなかったけど)。
このライブはDVDになるらしいので、興味がある方はそれを見るといいのでは。

「監督不行届」が読みたくなった

実は前日に公開日を知ったというぐらいに軽やかにスルーしてた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」だったけど、評判がいいので観に行きました。

上映館が少ないとはいえ、新宿歌舞伎町のミラノ座は朝早くというのにかなりの人手。興行的に成功してるんでしょうね。

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実は最後の劇場版以来、「エヴァンゲリオン」という作品に関するさまざまなものを目にすることがなかったので(嫌いになった、とかじゃなくてお腹いっぱいで満足したてな感じ)、ホントにこの作品に出会うのは10年ぶりとかだった。

今回改めて見て、もうシンジくんにあんまりシンクロできない自分に気づく(笑)。
大学4年生で本放送を見て、社会人1、2年目ぐらいで劇場版を見られたのは、今考えるとすごいいいタイミングだったのかもなぁ。

映像は、新作部分はよかった。

ストーリー(というか裏設定)は、実は今までまるで理解してなかったことに気づいた……。
10年前はインターネットもこれからというところで、今ほどその手の情報が簡単に手に入ったわけではなかった。今だとちょっと探せば情報の正否はともかく莫大な量の情報が手に入る。
この10年で大きく変化したことだよなぁ。

10年といえば登場人物が誰も携帯電話を持っていないのが、なんか新鮮だった。

作品自体、そもそもの世界観をはじめツッコミどころが多いんだけども、ディティールのしつこい積み重ねと演出の勢いで押し切ってるという、かなり危うい、それでいて奇跡的なバランスが見事な作品だったんだなぁと改めて思う。
庵野監督が好きなすべてのもの~それは目を背けたいけどもついつい見てしまうものも含めて~を入れようとしてるから、魅力的なんだろうなぁ。パンツの脱ぎ方に芸があるというか。

今はストーリーとかキャラよりも、電車に乗るところとかレイのアパート周辺の描写とかこの作品の妙な生活感の描き方が好きで、その辺をもっと見たかった。

2007年9月1日土曜日

事故(自己)調査委員会

コメント欄でごちゃごちゃと書いてたんだけど、愛用している↓に関して、ちょっと困ったことがあった。


「BOSE Wave Music System」


なんか、たまにCDに同じようなちょっとしたキズがつくことがあるのだ。

機械のせいなのかはともかくとして、これでCDを聴いた際につくことは明らかで、なぜならこのプレイヤーでしか聴いたことがないCDにもキズがついているからだ(ちなみにケースからの出し入れでつくタイプのキズではない。)

メーカーに聞いてみたところ、調査したいとのことで製品をメーカーへ送付。
大変丁寧な対応だったけど、とくに故障などはないとのこと。

う~ん、でもこのキズはなぜ?
キズがつくプレイヤーを使うのはイヤだなぁ、と悩む。

��

これとは別に、居間におくCDプレイヤーがほしいと思っていて、上記のプレイヤーをそちらにまわして自室では前から気になっていた↓を使ったらどうか、と注文してみた。


「BOSE Acoustic Wave Music System Ⅱ」


BOSEのこれらの製品は店頭販売がないけど、30日間試用することが可能で気に入らなかったら手数料なしで返品ができる。これはホントに素晴らしいシステムで、なぜならオーディオなんて騒音が多く、しかも広い店の中でチェックしても部屋に持ってきたら全然音が変わってくるため判断できないからだ(高級オーディオなんかはちゃんと試聴用の部屋があったりするけど)。

で、この製品。


  • なんといってもとにかくデカイ。
    これがこの製品の最大のマイナス点。

  • スロットローディングではなく、ふたを開けて上の部分にCDを入れるタイプなので、構造上CDにキズをつけることはない。
    ただ、フタが開く角度がやや浅いのとフタロック用の爪受けがイヤな位置にあって、CDの出し入れがイマイチ気持ちよくない。

  • 音は「BOSE Wave Music System」と比べてそれほどいいと思わなかった。というのも、僕はあまり大音量で聴かないので、この特徴であるウーハーの恩恵がそれほど感じられなかったからなのかも。
    この大きさゆえ置き場所が選びづらく、ベストポジションではなかったのもあるかも。

  • パネルが上部にあるため、今何曲めなのかとかの表示が全然見えない(ちなみに時計・アラーム機能はない。別にいいけど)

  • 使ってみるまで、本体に操作ボタンがあるのはいいなぁと思っていたけど、それほどでもなかった。



とまぁ、「BOSE Wave Music System」の2倍以上の値段なのに、それだけの価値は見いだせず、結局数日使ってすぐに返品してしまった。

もっとも、この大きさで問題がない住宅事情なら試してみる価値はあるんじゃないかなぁ。床置きしたい場合なんかはこちらの方がいいと思った。

��

というわけで振り出しに戻ったわけだけども、逆に所有している「BOSE Wave Music System」のスロットローディングを中心としたCDを聴くまでの簡便設計は改めてエレガントだと思わされる結果となった。CDを聴こうと思ってから実際に再生するまでの時間がすごい短い。だから、これを買ってよくCDを聴くようになったんだった。というか、この製品がなかったら今ほどCDを聴いてない気さえする。

う~ん、でもキズがなぁ……と思っていろいろと観察していたある日、ふとこのキズは自分でつけてるんじゃないか?と思い始めた。取り出す際にCDの取り出し口のエッジ部分で盤面をこすっちゃってるようなのだ。

dora03_hannin.jpg

それに気づいてから、CDをそっとこすらないように気をつけるようになり、今のところキズはつかなくなった。
たぶん、それが原因です。ごめんなさい>BOSEの人。

でも、写真のCD取り出し口をよく見てほしいけど、ここまでこすってしまうような狭い口幅にすることない気がするんだけど、どうか。しかも、円周の外側にいくに従って口が狭くなっているので、円周部分にばっかりキズがついていたのも納得なのだ。
この口とCDとは接触しないことを前提としているので、じつはこんなに狭くなくてもいいはずで、CDを入れる際の目安という意味でしかない。
もしできたらこの辺の設計は、次製品では改善してほしい部分ではあります。