2010年2月28日日曜日

「ひとりずもう」が面白い

漫画家の自伝、という書籍カテゴリはかなりの好物なんだけど、やっぱり藤子先生の「まんが道」を筆頭にトキワ荘ファミリーのそれらが自分にとってあまりに面白かったからなんだろう。

比較的珍しいところでは、「ショージ君の青春記」という、東海林さだおが漫画家になるまでをつづった本がかなり面白かったが(残念ながら絶版)、今回読んだこの本もかなりよかった。

ひとりずもう (小学館文庫)
4094084622


「ちびまる子ちゃん」がテレビ放映20周年という事実に軽くクラクラするんだけども、原作マンガはもちろん、エッセイ初期三部作(「もものかんづめ」「さるのこしかけ」「たいのおかしら」)、子供時代を書いたシリーズ(あのころ」「まる子だった」「ももこの話」←これら、つなげると1つの文章になってることに今気づいた)あたりは大変楽しんで読んだ記憶があるんだけど、その後の生活雑記のようなエッセイは正直ちょっと……という感じで、かなりごぶさただった。

「ひとりずもう」は、彼女の中学生~高校生、そして漫画家になるエピソードということで、これはもしや?と思い手に取ったらなんかオモシロ本オーラが出てるので、購入して読み始めたら一気に読んでしまった。

中学、高校生のころのイヤに奥手だったエピソードも面白いんだけど、最後の方で漫画家になる決意をし、いわゆる少女漫画には一度挫折するも、エッセイ風のマンガを描けばいいのだ!とひらめき、努力の末デビューに至る部分はかなり感動した。
とくに家族に「無理だ」といわれても、家族が自分の人生を保証してくれるわけではないと無視したり、それまでのぐうたらで、自分という人間を捉えきれてなかった彼女の様子からは想像できない固い決意を感じられ、この本の読後感をかなり変えてくれる。

面白いのは、再度漫画家に挑戦するのが、学校で作文をほめられたのがきっかけだったこと。

当時は今と違って女性が書くライトエッセイも少なかったし、エッセイ風のマンガというのも少なかったと思う。マンガ、イラスト、エッセイを行き来する作家、というカテゴリを生み出しのは、そうか、さくらももこだったのか。
そのアイディアを思いついたときの描写もとても印象的だ。

いやぁ、正直「もうさくらももこのエッセイなんて面白くないよね」と思ってたからやられた。この本はいい。
幼少期の頃を書いた「おんぶにだっこ」と、今後出る予定のもう一冊で三部作になるそうだけど、楽しみ。

��

ところで、「りぼんの乙女ちっくの正統な後継者はさくらももこ」と書いてたのは大塚英志だったと思うけど、さくらももこ自身が生み出すものが乙女ちっくなのではなく(もちろんそういうテイストはかなりあるんだけど)、「乙女ちっく」なものに憧れる女子の心理を描かせると右に出る者はいない、という意味での後継者なのではないか。

この本を読むと、いかに彼女が「乙女ちっく」なものに憧れていたかがイヤというほど分かる。メンタリティはかなり乙女だ。ただし、それを体現しようとするとどうしようもない状態になりまさに「ひとりずもう」になりがちなのは、彼女の天分なんだろう。
素晴らしい。

「カムイの剣」はまったく関係ない。

これまで白土三平の「カムイ伝」と「カムイ外伝」の関係がよく分からなかったけど、

「カムイ伝」
 前半の作画は小島剛夕、後半の作画は弟の岡本鉄二
 1964年から1971年まで『月刊漫画ガロ』で連載

「カムイ伝 第二部」
 1988年から2000年まで『ビッグコミック』で連載

「カムイ外伝」
 1965年から1967年まで『週刊少年サンデー』に不定期連載

「忍風カムイ外伝」
 1969年に「カムイ外伝」がアニメ化
忍風カムイ外伝 DVD-BOX collection 2
関修一
B00067SRUM


「カムイ外伝 第二部」
 1982年から1987年まで『ビッグコミック』で連載

映画「カムイ外伝」
 2009年に実写映画化

確かにこれはややこしいわ!!

内容的には、「カムイ伝」はあまりカムイが出てこなくて、実は僕も読んだことがあるけどえらい地味な話が続く大河もの。
「カムイ外伝」は、サンデーでの連載ということもあり、主人公の忍者カムイが活躍する連作短編(らしい)。

普通の感覚だと、カムイが活躍するのが「カムイ伝」で、彼が出てこないのが「外伝」ような気がするけど、そうではないらしい。
だから自分の中で混乱してたんだなぁ。

これに加えて、白土三平のカタカナ3文字忍者ものには「サスケ」「ワタリ」もあってなおややこしい。

2010年2月13日土曜日

初めてのあいつ

初体験は就職が決まって21歳のころだから、自分の世代の普通の人に比べればかなり遅い。

それまで機会というより興味がなかった、といったほうがよかったんだけど、その手の業界に入るし、ちょうどその頃最新作が出たんで、いっちょやってみるかと思ったのだった。
あの頃の自分にとって、あの値段はかなり高かったなぁ……。

……ってあれあれ?ノッポさん、なんの話?

モガボガ?(←ゴン太くんの声)

ドラゴンクエストシリーズに決まってるじゃないですか!
そう、僕はドラゴンクエストでは、VIが初めてプレイした作品なのだ。
IやⅡは友だちがやっていたのを横で見たりはしてたけど、ジョブチェンジもモンスター育成もこの作品が初体験。
だからなのか、非常に面白かった、という記憶がある。
なんだけど世間的にはあまり人気がないらしく、残念に思ってたけどこのたびNintendoDSに移植。
ドラゴンクエストVI 幻の大地
B000UTH1XK

なんとオリジナルのスーパーファミコン版が出てから15年、初の移植だそうな。
今、通勤時間を使って遊んでるけど、やっぱり面白いなぁ。
もともと、「2つの世界が……」ってネタが好みなせいもある。シリーズの中でもシナリオがかなりドラマティックだと思う。
でもやはり魅力的なのが仲間のキャラクターたち。
ドラゴンクエストってシリーズによって仲間の存在感が「キャラクター」なのか「空気」なのかが全然違うんだけど、VIは前者で、名前すら変えられない。
僕は主人公に関しては、名前をつけられる・勝手にしゃべらない方がいいけど、仲間はキャラクターになってる方が好み。そうじゃなかったらこっちでいろいろと脳内設定できるようにグラフィックを選べたりさせてほしい。
なので、名作の誉れ高い「ドラゴンクエストⅢ」は自分にとってはイマイチ。だって仲間がなんで一緒に世界を救いにいくのかよく分からなかったもん。「Ⅲ」はやっぱり、Ⅰ・Ⅱとリアルタイムで遊んでこそのあの評価なんだと思う。なにせ、Ⅲの面白かった部分ってVIに入ってたりするからなぁ。
ちなみにⅦとⅧは冒頭しかプレイしてないので除外して、遊んだものの順位は
Ⅸ・Ⅵ・Ⅱ・Ⅰ・Ⅲ・Ⅴ・Ⅳ
かなぁ。Ⅴ・Ⅳは主人公が変わるのがイヤ。またⅣに関してはファミコン版だったせいでバカAIで遊ばなくてはならなかった、というストレス分もある(オリジナルには「めいれいさせろ」がない)。

2010年2月7日日曜日

自分は「不条理4コマ」がリアルタイムな世代

最近の4コママンガって、4コマで起承転結になってなくて、次の4コマに話がつながって数本で1つのストーリーになってるものが多いね、と友人と話していた。

あんまりちゃんと読んだことないけど、「あずまんが大王」ってそうだったと思うし、たまに読む機会がある週刊漫画誌(長編マンガに比べてまだ一見さんでも読みやすいのでつい読んでしまうことが多い)でもいくつか見た気がする。

wikipediaによるとそういうマンガは「萌え4コマ」と呼ばれるらしい。

このフォーマットって、1本ずつしか掲載されない新聞の4コマでは出てこなくて、雑誌ならではのものだと思うけど、最初に考えた人は勇気あるというかよく「これもアリ」って思えたよなぁ。

多くのマンガの描き方本には「起承転結で!」みたいにして4コマ目でいかにして落とすかを強調してあるけど、話がつながっていくタイプだと落ちなくても成立しちゃう。

とはいえ、4コマで1つというテンポはあって、むしろコマ割りとかコマの形の自由度を捨てて、別のものを手に入れようとしている印象がある。
たとえばキャラクターの魅力であるとか。

で、なんかそういうマンガってなかったっけ、と思ってぼんやり考えてたら、まさにオリジンというものを思い出した!

「ピーナッツ」(=チャーリー・ブラウンとスヌーピー)だ!
A Peanuts Books Special featuring SNOOPY -チャーリー・ブラウンの逆転ホームラン-
谷川 俊太郎
4047044164


4コマとは言えないけど、近い感じのフォーマットで、いろんなキャラクターがごちゃごちゃやっている、キャラ人気がある、あんまり笑えないけど独特のおかしみがある、などなどいろいろ共通点は多いと思う。

2010年2月6日土曜日

青いヨコヅナ

このあいだ、NHK-BS2「日めくりタイムトラベル」で、大横綱・大鵬の特集をしていて、この人がロシア人のハーフであることを初めて知った。

wikipedia-横綱一覧

僕がものごころついた時の横綱は「輪島」「北の湖」で、なんといっても「千代の富士」が圧倒的だったんだけど、その間に「若乃花」「三重ノ海」がいたのね。全然覚えてないけど。
……あれ、若乃花??と思ったら二代目で、師匠であった初代若乃花の娘婿となったが、後に離婚だそうな。

千代の富士以降も「双羽黒」はともかく、「隆の里」「北勝海」「大乃国」「旭富士」は何となく名前を覚えている程度で、それというのもけっこうみんな在位期間が短い。

曙以降は全員分かるんだけども。

とか書いてたらいきなりドルジ引退してビックリ!
ちなみに年末の「BSマンガ夜話」で、高砂部屋の忘年会だかに出たいしかわじゅんが、「朝青龍はみんなが思うようなイヤなやつだったよ」という冒頭の近況コメントで言ってたのが面白かった。

あと引退に関して朝青龍友人の亀田兄のコメントが大人すぎ。この人は朝青龍と違ってキャラ変えたなぁ。というか、本来の姿に近くなってるのかもだけど。


「ともだち100人できるかな」

とよ田みのるは「ラブロマ」がかなり好みのマンガで、ラストのくだりがいまひとつだったものの次回作を期待していたら、その次回作「FLIP-FLAP」が個人的にかなりダメで、正直作者自身にすら興味を失っていた。

だからこの新作「友達100人できるかな」も2巻が出るまで全くノーチェックだった。

友達100人できるかな 2 (アフタヌーンKC)
4063106160


なんとなくあらすじが面白そうだったので買ってみると、これはいい!
設定はSFなんだけども、自分が子供だったころの時代を舞台にしているのもポイント高い(作者は自分より2歳年上)。

少し不思議なテイストとポップなコメディセンスのバランスがよい。
今思うと「FLIP-FLAP」はヒロインとストーリーの不思議度が高すぎたんじゃないかなぁ。
とよ田みのるはキャラの突飛性やストーリーにおける明暗などのバランスを間違えなければ面白いマンガをかける人なんでは。

2010年2月3日水曜日

伊藤さやかは惜しすぎる。

その昔、「伊藤さやか」というアイドルがいたんだけど、1973年生まれの僕でもリアルタイムでは全く知らなかった。
自分よりもさらにやや上の世代で、そんなにメジャーなアイドルではなかったと思う。僕は長年、もっとメジャーだった「伊藤つかさ」と混同してたぐらいだし(文字の構成的には1文字違い)。

彼女の存在を知ったのは、アニメのコンピレーションに入っていた「さすがの猿飛」のオープニング「恋の呪文はスキトキメキトキス」とエンディング「恋のB級アクション」で、とくにエンディングの「ア~ィラビュッ!」の「ビュッ!」というところが最高。
http://www.youtube.com/watch?v=XZd0EuSuSZg
この人の別の曲も聞いてみたいなぁとレンタルでベストを借りてみた。先の曲は彼女の4thシングルなんだけど、1st~4thシングルはアイドル歌謡テイスト全開で最高!
……なんだけど、どうも彼女がロック志向だったらしくて、その後はアイドル歌謡から卒業してしまうから残念。ロック時代の曲はちょっと聴く気がしない。

でも1stアルバムぐらいはアイドル歌謡だろうとずっと聞きたかったんだけど、このたびコンプリートベストが出たので思い切って購入。

ゴールデン☆ベスト デラックス 伊藤さやか
伊藤さやか
B002JGMT2U


しかし、う~ん、ホントにアイドル路線だったのは最初のシングル何枚かだけだったんだなぁ。

僕の中では伊藤さやかはほんとに惜しいアイドル歌手。
もっとアイドル歌謡を歌っているのを聞きたかった。

2010年2月2日火曜日

JCCAクラシックカーフェスティバル ニューイヤーミーティング2010

本日、東京は雪だけど、昨日1/31(日)は晴れて暖かいぐらいだった。

この日、楽しみにしていたJCCAクラシックカーフェスティバル ニューイヤーミーティングが開催されて、お台場まで行ってきたのだ。
最近、外に出てなかったので、軽く日焼けしてしまった(肌が赤くなるだけ)。

このニューイヤーミーティング、お台場の駐車場にたくさんのクラシックカーが集まって、ショップも出たりするイベントなんだけど、
2007年に初めて行き、
2008年は完全に忘れていて、
2009年は開催の一週間後に知って悔しい思いをしたので、
今年はちゃんとwebページをチェックしてたのだった。

いやぁ、やっぱり楽しかった!

車の趣味にもレース、走り屋、トラックetc..などなどいろいろあるけど、僕の目当てはバブルカー。
やっぱりメッサーシュミット、イセッタなんかが来ていた。珍しくハインケルも。
日本車だと360cc系。マツダR360クーペがズラリ並んでいたり、マツダキャロルもかわいい。スバル360なんかは当たり前のようにある。でもやっぱりバモスホンダはかっこいいなぁ!あのジープのようにタフな感じなのに、おもちゃ感があるのが面白い。

ショップも楽しいけど、今回よかったのは、ELSE DESIGN 馬場和実という方の車のイラスト。かなりたくさん種類があってどれも額縁に入れられて1つ2200円。
自分にとって本命のイセッタは見あたらず、メッサーシュミットと迷ったんだけど、FUJI CABINが珍しいのとかわいいのとでこちらに決定。
RIMG0860.jpg
素晴らしい丸め加減と色遣い。やっぱりメッサーも欲しかった!またの機会にはぜひ!

それにしてもホントに天気に恵まれてよかった。今日だったら雨だったし、明日だったら雪で開催が危なかったかも。