2008年10月21日火曜日

女子のカバン

子供の頃、人一倍他人の部屋を見るのが好きだったと自負しているけど、それは部屋に行くとその人のパーソナリティが本人とつきあう以上に見えてくるような気がしたからかもしれない。
これは友人だけでなく、アーティストや専門家の部屋でもそう。
妹尾河童の「河童が覗いた」シリーズがかなり好きだったり。

それはそれとして、そういった覗き見的なものの中でも「女子のカバンの中」というのはかなり面白い部類のものではないだろうか。
といっても、なんていうか下世話な意味以外の興味が大きくて、いってしまえば男子のカバンの中だって人によっては面白いと思うんだけど、女子のに比べればそれほどでもないだろう。

そんなことをカバンごっこをする幼い娘たちを見ながら思っていたけども、これがやはりというか女子向けの雑誌ではけっこう「あの人のカバンの中を紹介」てな記事があるんですね。

PS (ピーエス) 2008年 10月号 [雑誌]
B001E4IDBO


最近女子向けの雑誌の「オマケ」がすごいことになってるのはなんとなく知ってたけど、そのオマケであるファスナー付きカンペンケースにつられて思わず買ってしまった(ちなみに僕はこういうのを買うのはけっこう平気だったりする)。

この雑誌の中でそういう「カバンの中を紹介」記事があって、いやぁ面白い面白い。かわいいとかっこいいの絶妙なバランスとか、女子特有の世界が垣間見えました。
女子の間でもDSよりPSPでモンハンなのね!とかカメラはやたらとRICOHが人気あるとか。

それにしてもあれだけのものを入れて、けっこう重そうだなぁ>女子のカバン。

2008年10月19日日曜日

中川史観でひもとく80年代歌謡史

このところ、ナベプロ~スター誕生with阿久悠、という60年代、70年代の芸能歌謡史に触れることが多くて、その先の、僕にとってはリアルタイムであった80年代の芸能歌謡史にもおさわりしたい!と思っていたところ、新刊の時にはなんとなくスルーしていたこちらを手に入れて読んだら、ムチャクチャはまる。

松田聖子と中森明菜 (幻冬舎新書 な 1-2)
中川 右介
4344980638


この手の本で、社会学者が書いたような本が一番つまらないんだけど、こちらはそうではない。
なにしろ、この著者である中川右介氏の「ブームはどう始まりどう終わるのか」は2004年の個人ベスト本だったので、内容は大丈夫だろうとは思っていた。

それがうれしいことに自分の予想以上の面白さで、タイトルこそ「松田聖子と中森明菜」だけど、内容的には松田聖子を軸とした80年代芸能歌謡史を扱っていて、筆を山口百恵から始めているのも自分にとってタイムリーすぎ。
でもここから始めないとなぜあそこまで松田聖子が時代に受け入れられたかは語れないことが読んでいくと分かる。

「オリコンヒットチャート」よりもTV番組「ベストテン」のデータを重視しているのもよい。この時代はそれでいいはずなのだ。

また松田聖子の重要スタッフであった松本隆にもスポットをあてていて、彼の仕事の批評集にもなっている点もポイント高い。
それに対比して様々な作家が詞を書いた中森明菜という人物にも迫っていたり、歌い手だけではなく彼女らを刺激したり彼女らに刺激されたりした作家陣にもけっこうなページを割いたり、それぞれの陣営のプロデュースの違いなども見せてくれる。

一番面白かったのはそもそも松田聖子はルックスで売れたわけではなく、歌で売れたのだ、という指摘。
確かに当時聖子ちゃんをかわいいと思ったことは一度もなかったけど、歌は大好きだったので、これはとてもよく分かる。

松田聖子が今でもほぼ当時の雰囲気で残り続けられているのは、彼女の歌の中にどうしても入ってしまうスウィートネスにあり、それを松本隆というパティセリーがうまく料理して、その甘さが時代とマッチしたからあれだけ人気があったのかなぁ。

なんにせよ、この本は今後80年代芸能歌謡史を語る際には避けて通れない道しるべ的な本になることは間違いない。

��おまけ)
余談だけど、歌謡番組なんかだと尺のせいかレコードよりもテンポが早いことが多くて、懐かしの番組、とかで聴くことととてもイカすことがある。DJが回転数あげるみたいな。
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明菜って、1st=「少女A」、2nd=「セカンド・ラブ」だと思ってたけど、1st=「スローモーション」、2nd=「少女A」なのね。タイトルに流されてた。
あと、B面だけど「椿姫ジュリアーナ」は名曲だと思う。というか、「飾りじゃないのよ 涙は」から「I MISSED "THE SHOCK"」あたりの明菜は本当にすごかった。
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こちら、Perfumeを表紙にしたかっただけじゃね?とか思わなくもないけど(だって、ニホン語歌特集で彼女たちが表紙はないだろう)
BRUTUS (ブルータス) 2008年 9/1号 [雑誌]
B001DJP3BS

「小西康陽の「私的“阿久悠”考。」はかなり名文。あまりのツンデレ、というかコニタン版「拝啓、ジョン・レノン(真心ブラザーズ)」といえよう。これだけでも歌謡曲ファンなら買いだけど、DJ OZMAとFPM対談で、DJ OZMAが売野雅勇を評価してるのがポイント高い。この人、ホントに面白いなー。逆にFPMは歌謡曲に関しては選曲のセンスが上品すぎて、逆にセンス悪し。
あとは茂山宗彦が「夢芝居」を、ほしよりこが「ビューティフル・ネーム」をフェイバリットにあげててうれしい。
なお、1996 2/1号「歌謡曲'96」を引っ張り出して読んでみたけど、やっぱりBRUTUSは昔の方がパワーあるなぁ。……って自分の感覚が古いだけかもしれんが。

2008年10月12日日曜日

20年も経てばなぁ……

��プラモの話続きます。)

それにしても子供の頃の製作環境とはかなり違うことを実感した。

まず圧倒的に違うのは、財力(笑)。

昔はたとえば300~500円のキットを買ってもらうのがせいいっぱいで、それにかかる塗料やら工具やらなんてものを買ってもらうのは難しかったし、それらもうまく使いこなせなかっただろう。
それがいまや、「あ、こんなんあった方がいいかも」でポンと買える。といっても大体が1000円以内のものだけども。実は「大人の趣味」として考えると、プラモデルって大してお金がかからない。
ちなみに初心者であっても道具はある程度いいものを買った方がいいと思う。それは仕上がりの不備を道具のせいにできなくなるからである(笑;でも本当)。

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そしてこれらの塗料やら工具やらを通勤途中に買える場所がある、というのも大きい。熱が冷めないうちに製作環境を維持することができる。

といっても気づけば子供の頃よりもいわゆる「模型店」は激減して、自宅から自転車で行ける範囲にある小さな模型店をネットで見つけて休日に行ってみたら、そこのおば(あ)さんがしみじみとそのことを語っていた。確かに模型屋は見なくなったよなぁ。
でもそのおばさんが最近になって大人の人がちょくちょく戻ってきているとも言っていて、まさに自分もそうだよなぁと思った。といっても、ミニ四駆出戻り組みが多いみたいけども。

それにしても驚くのは、模型売り場のガンプラ(バンダイを中心とした他のSFロボット系キット含む)占有率の高さ。
こちら、現在はガンプラには興味ないのでその他のコーナーを見ると、ガンプラ比での種類の少なさに愕然とする。
それでも先日オープンしたタミヤプラモデルファクトリー新橋店なんかに足を運ぶと、まだまだプラモデルも元気だなぁとは思う。大人向けのマイナー趣味、という位置に固まりつつある印象もあるけど、それでいいじゃないか。

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製作に関しては、書籍じゃなくてもネットでいろいろと情報を仕入れることができるのも昔と違う。
とはいえ、さすがに教科書を一冊ほしくなって

ノモ研 増補改訂版 (ホビージャパンMOOK 227)
野本 憲一
4894256371


を立ち読みしたら、自分が知りたい多くの疑問の解答が次々と書いてあったので購入。これはいい本だ。

そういえば前にも書いたけど現在文庫で再刊されている「プラモ狂四郎」の巻末に再収録されている「プラモテクニック教室」は、小沢勝三の「ひげさんの造形大百科ハンドブック(モデルグラフィック別冊、1986年刊)」などとともによく読んでいたので、知識だけはあったなぁ……。これらの本、いまだに実家にあるはず。ところで小沢勝三氏って昨年逝去されていたんですね。驚いた。

以前フジテレビ721で放送していた番組「プラモつくろう」を見てたけど、「映像で製作過程を見ることができる」というのもかつては難しかった。

そしてそういった充実したノウハウ紹介の中で一番昔と違うのが、塗装がエアブラシ前提であることだ。
子供の頃は「エアブラシというハイブロウなものがある」程度の認識で、いかに筆塗りでムラなく塗るかということが延々と書いてあったものだけども、今は模型をやるならエアブラシもっとけ、というノリ。確かに大人になってみると入門用ならすぐにでも買えるしなぁ。

それでもこうなっては、さすがに塗装をしてプラモデルを楽しむ、というのは敷居が高いのだろう、近年ガンプラなどは接着剤不要なのはもちろん、元の成形色そのままでも色分けがされていて、しかも模型雑誌などではペンタイプの塗料などを使ってグレードアップする、という記事がけっこうあるみたい。

確かにうちも子供がいるし、自分以外の家族は全員女性、というプラモデルというものにとってはかなりアウェーな状況だけど、でも下の子どもも少し大きくなって、道具や溶剤に関して決して触るな、といえば通じるようになったのも復帰できた理由のひとつではあるだろう。

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長くなったけど、ついでに講談社漫画文庫版「プラモ狂四郎」の話題を。
プラモ狂四郎 第5巻 (5) (講談社漫画文庫 や 12-5)
やまと 虹一
4063705862

その子供の頃に一所懸命読んでいたマンガだけど、今見ると漫画として絵が上手だなぁ。迫力ある構図とか単純でセオリー通りとはいえ燃える展開だとか、少年マンガの基本に忠実だと思う。
しかし、テレビで「機動戦士Zガンダム」が始まってその存在意義が薄くなってきた頃はさすがにパワー不足の感はあり、「模型秘伝帳」とか無理矢理だよなぁ。もうプラモデルの話じゃなくて素材合戦みたいになっていて、当時も今も面白いと思えない。
個人的には、レッドウォリアーが出た第25話(講談社漫画文庫では5巻に収録)がピークで、その後の牛若三兄弟が出てくるあたりから徐々にパワーダウンしていくと思う。
今回発売された8巻で「模型秘伝帳」編も終わっていて、9巻・10巻も出るけどこの先2冊分も続いていたっけ?派生作品なども収録するのかなぁ?どちらにしろ、このあとはもういらないなぁ。

2008年10月10日金曜日

やれるだけの「こと=失敗」はやった

プラモ話の続き。
プラモデル製作ほぼ初心者である自分の失敗集。

・ラッカースプレーを強く拭いてダボダボになった
→スプレーは軽く色をのせる感じで何度か吹いてやるのがセオリーらしい。
なお、スプレー塗装をする際に、玄関先にある誰も来ない非常階段を活用できることは環境的に大きい。

・マスキングしたところを筆で塗ったら、毛細管現象でマスク部分下に浸食。
→筆塗りの場合、意外とマスキングしないで先に境界線を面相筆などで塗っていく場合もあるみたい。

・ラッカーの上にアクリル塗料を塗って、はみ出した部分をアクリル薄め液でぬぐおうとしたら汚くなった。
→本やサイトによってはこれは可能とされるものもあるけど、自分の体験ではムリだった。

・ラッカーの上にアクリル塗料を塗って、はみ出した部分をエナメル薄め液でぬぐおうとしたら塗料皿に少し接着剤が残っていたらしく、ラッカーがはげた……。
→しかも接着剤が残っていることは分かっていたのに……。

・ラッカースプレーの際は使い捨てマスクと軍手をしてるんだけど、腕の部分に少し付着してたらしく、少しカブれた。
→汚れてないと思っても手洗いを徹底することに。

・細い支柱部分を紙ヤスリで磨いていたらポキッと折れた。
→やさしく、ね。

・軟質プラスチックであるABSにサーフェイサーを吹いたら見事にはがれた(「ワイルドウィリスJr.」にて)。
→紙ヤスリで表面を荒らしてやったら、なんとか塗料が喰いついてくれた。しかしこの材質、塗装をする人に敬遠されるのはよく分かる。

・エナメル塗料は薄めてややシャブシャブにして塗れ、とあったのでその通りやったらキレイに塗れて感動してたけど、三度目の上塗りをあまり薄めないでやってしまい、筆ムラが……。
→最後までセオリー通りでやるべし。

・クリアパーツを磨いたら曇った
→磨きが足りないらしい。

・デカール、うまく貼れた!と思って半日後に見たら、ひとつなくなってた……。
→その後見つからず。

・小さいデカールを貼っていたら、畳んだ状態で張りついてしまってダメに。
→そもそもデカールの大きさが貼る面積より大きいのはどうかと思った。

・タミヤセメント[小](瓶入り接着剤)を机の上にこぼして大変なことに……。
→ラッカー系溶剤のニオイは家族にいやがられるという以前に、自分がイヤだ。とりあえずリモネン系接着剤を買おう。

……とまぁ、タイトル通り初心者が陥りがちな失敗をやれるだけやった、という感じではあったが、このうわー失敗→でもこうやれば回避できるのでは?→それなりに回避、というプロセスが楽しい。そして分かっていながらも面倒くさがると即失敗につながるのも面白い。

2008年10月5日日曜日

プラモ今日しよう

少し前にプラモデルを作り始めたことを書いたけど、よくよく考えたら中学生の頃に塗装をやり出したらイヤになってやめてしまい、それ以後は

・大学生の時にバイク「SUZUKI カタナ」のプラモを何となく買ってはみたけどどうしちゃったか記憶がない
・就職して、ガンプラのHG(ハイグレード)1/144 ガンダム、MG1/100 G3ガンダムなどを購入→巣組みして飾っておく

ぐらいしか記憶がない。
ガンプラに関しては、自分が組み立てたものよりもずっと完成度の高い製品が買えるようになってしまって興味を失い、そのままいわゆる「ロボットメカ」には興味がなくなってしまっていた。
つまりこれまでガンプラなどを組み立てていたのは、あくまで「おもちゃの代用品がほしい」という欲求からで、プラモデル工作自体にはあまり興味がなかった。

自分の今回のプラモデル復帰が今までと全然違うのは、工作経由で戻ってきたことだと思う。
プラモデルから離れているうちに、

・作家・森博嗣の工作っぷり
・岩井俊雄のロカちゃん相手の遊びっぷり
・世田谷ベースでの所ジョージの活動っぷり

に刺激を受けたりしつつ、

・古い木の棚を塗装みる
・金繕いをする
・子供と粘土遊びをする
・子供とペーパークラフト遊びをする
・子供の水鉄砲にガンメタルで塗装をする

などなど工作遊びをすることが多くなり、いつの間にか工具箱にはある程度の道具がそろっていた。
デザインナイフとカッティングシート(ペーパークラフト用)、ラッカーシンナー、筆(粘土の塗装)、ゼリー状瞬間接着剤(家のいろんなものの修理などに使う)、マスキングテープ、エポキシパテ、コンパウンド、ピンバイス、ピラニアノコギリ(粗大ゴミを捨てるために切ってしまおうと思って買ったけど断念した)、ウホッ ウォンまであるぜ!(最後はダウト)
ちなみに鉄ヤスリやフィニッシングペーパーなどは小学校の頃に買ったものがいまだに残っていたのでそのまま使っているが、逆に接着剤やニッパーを持っていなかったことで、プラモデルから離れていたことがよく分かる。

そしてそういうプラモデル以外の工作を通じて、パテ盛りの面白さや磨く快感、塗装の不思議を知り、逆説的に素材としてのプラスチックの扱いやすさに気づくことになったのだった。

だもんで特定のプラモデルキットを作りたくなったわけではなくて、なんでもいいからプラスチックで工作をしてみたくなって、とりあえず模型店に足を運んだらやはりミニカー好きとしては車のコーナーに足が向く。
そんなわけで買ったのが「マツダR360クーペ」だったのだ。
081004_203032.jpg
なんとか完成。

エンジン部分のないカーモデルなのでパーツ数も少ない反面、けっこう前のキットなのもあって初心者としては苦労した部分も多かった。でもなによりも自分が不器用でおっちょこちょいでせっかちなせいなんだけども(笑)。

その辺、次回レポート。

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ちなみにできるだけ積まないようにしたいけど、ついつい作ってみたいキットを買ってしまう。

ミニ四駆「ワイルドウィリスJr.」は制作中。

1/35 MM シュビムワーゲン166型 35224
B000WN6QG2


U.C.ハードグラフNo.5 1/35ジオン公国軍 サイクロプス隊セット
B000WOYF6E


ヤフオクでプレミア価格にて、グンゼの「イセッタ+メッサーシュミット」を落札。
しかし、イセッタは車体がなぜかクリアパーツで作りにくそう……。このキットはとりあえず実力がつくまでは放置するつもり。

なんかミリタリー系車輌(ソフトスキンというらしい)が多いなぁ。たぶん「ミニカーにはあまりない、少し変わった車」だからだと思う。基本的にミリタリーはあんまり好きじゃないので。