2010年8月29日日曜日

カーとモビルとビークルと

最近、意外と自分がヤンチャな車も好きなことに気づいた。

ヤンチャといってもいろいろあるけど、まず子供の頃好きだったウィリス系のジープにいまだに引かれる。無骨な感じがよい。

アメリカンなホットロッド系も意外に好きだったりする。
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ホットロッド、って車高をやたらあげる・でっぱりを排除してツルッとさせる、といった日本の暴走族文化とは違う妙な趣味のベクトルやサーフィン文化ととなりあわせ?の精神性など、いろいろ興味はあるけど、まだまだぜんぜん分からない。
そこを文章化した人やできる人も少ないのかもしれない。

ホットロッドでは、意外とドイツ車であるワーゲンを使うことが多いらしい。丈夫で改造しやすいから、らしいけど、これもまた面白い。
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フォルクスワーゲン・ビートルのエンジンを積んだオフロードカーというのもあって、さっそくミニカーを買ってしまった。
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メイヤーズ・マンクス・デューン・バギー

車や自動車を英語でいうと
・カー
・オートモビル
・ビークル
といくつかの言い方があるけど、僕はこの中でも「ビークル」と呼べるようなものが好きなのかも、と思ったりした。

そういやうちの「カングー」もビークルと呼びたくなるような車なのかもしれない。



1ヶ月経ったカングー。

カングーも我が家に連れてこられて一ヶ月以上経ち、まるで飼い犬のように玄関に鎮座している。

今ちょうど仕事が繁忙期であることもあって自分はあまり乗る機会がないけど、妻が夏休みの子供たちを連れて乗り回している。

それにしても、燃費は悪い……。
最近の日本車はとくに燃費がいいからなおさら目立つ。
ま、そこは承知の上で選んだのだからしょうがない。

購入したすぐあとに近くのオートバックスに行って、必須だと思ってたカーナビとETCを購入。

ETCは割引の仕組みがいまだによくわからないけど、楽だし、文句ない。

カーナビはこちら。
PIONEER carrozzeria Air navi 5.8型ポータブルメモリー通信ナビゲーション AVIC-T07
B003MTWXB0


取り外して家に持ち運べるので、行く前に屋内で調べたり出来て便利。

ただ、欠点もいくつか。
まずトンネルに弱い。一度位置把握ができなくなったのに気づかず、高速を降りそこなってたいへんな目にあった。
またナビゲーションの内容が100%信じられなくて、Uターンするのにわざわざこういうルートをとる?てなことを言ってくる。このあたりはある程度アドリブを入れていかないとダメなんだろうな。

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ふと気づくと最近の車にはいわゆるバンパーらしいバンパーがないんだけど、カングーには黒々とした立派なバンパーがついている。
先日、家の玄関の柱に車をぶつけたら、バンパーがベコッとへこんでしまった。
でもプラスチックっぽい素材だし後ろから押せば直るだろうとほっておいてしばらく走っていたら、いつの間にかもとに戻っていた。
ナイス!

ちなみに車内が広々としてるのはいいけど、クーラーの効きは悪いような。

痛しかゆし。

時計のインターフェイスって最悪じゃない?

街を歩いているとふとショウウィンドウに気になる腕時計があったので、久しぶりに買ってしまった。

カシオ Gショック 腕時計 クレイジーカラーズ AW582SC-3A【並行輸入品】
G-Shock Men's Watches G-Shock Youth Culture AW-582SC-3ADR - WW



しかも、G-SHOCK!
自分がG-SHOCKを買うなんて……。

というのもG-SHOCKってずっとデジタルしかないと思ってたからで、先日偶然針がついたアナログもあることを知り、いくつか見た中で色がとても印象的だったこれを購入。
なかなか気に入ってる。

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ところで、この時計はアナログ表示だけど、秒針がない。
デジタル表示で曜日と秒を教えてくれるけど、秒の表示は針の位置によって見えないこともある。はなから秒を教える気があまりない。

思ったんだけど、日常生活において「今は何秒か」という情報はほぼ必要ない。

ではなんで多くの時計についているかというと、時計が動いているのを確認するためなんじゃないか。

デジタル時計ではそもそも「:」がチカチカしてるだけだったりするし、と思って携帯電話を確認してみるとそれすらない。携帯電話は液晶画面が写れば、時計は少なくとも動いていると僕らが信じているからだ。

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さて、時計といえば、ちょうど子供が時刻を意識し始める年頃なんだけど、時計がまだ読めず、これを教えるのが意外と難しい。

そもそも60進数。
だけど「時」だけは表示上は12で0に戻り、本来は24でひとまわり。
また秒以下はなぜか10進数というのも不可解だ。

針が(秒針含めて3つ)あって、それぞれの単位が違う。短針・長針は微妙に動きが連携されるが、秒針と短針はしない。

よくよく考えると、アナログ時計のインターフェイスって最悪で、よくもまぁこんな複雑なものが普及したわい、と思う。

でもいつの間にかたいていの人が時計を読めるようになるし、僕のようにアナログ時計の方が時刻を把握できる人間だって多くいる。

そういう意味で、かつて「これでいい」というある人(誰だ?)の英断と、多くの人の「時間を知りたい」という欲求がうまくあわさったんだなぁと思う。

オマケ。
今回買った時計、メーターがいくつかあって松本零士っぽいなぁと思ったんだけど、ほんとに松本零士のメーターをモチーフとした時計が出ている。
しかし、コレジャナイな出来。なんか違うぞ、これは!!

2010年8月15日日曜日

閉店がとまらない。

たまたま「本の雑誌」を手に取ったら、飯田橋のミステリ系に強い本屋「深夜プラスワン」閉店の記事があった。
僕は学生時代最寄り駅が飯田橋だったので、この店にも何度か行ったことはある。けどミステリに興味がなかったのでそれほど印象にはない。
であるけども、なんでつぶれるんだろう?と思って読んでみると不況であることと、もうひとつ、翻訳ミステリ離れだそうな。

なんでも「このミス」の1位がマニアックで一般の人にとって面白くなかったのが3年間続いて、翻訳ミステリ離れが起こった、とか。

これ、面白いなぁ。

ファン投票とかってどんどん精鋭化するから、そこでの大賞が必ずしも多くの人へのレコメンドにふさわしくなかったりするというわけか。
その点、本屋大賞は「売りたい」「読書を広げたい」という目的があるから、そういうことはないのかもね。

これからの本屋が生き残るには、コンビニ化、倉庫化、マルチ化(ヴィレッジヴァンガードみたいなのね)、専門化、ぐらいかと思ってたけど、専門化というのもリスク高いなぁ。
あとはこころざしというか意地の問題か。

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本屋といえばもうほとんど巡ることもなくなった古本屋だけど、前から興味があった吉祥寺の「BASARA BOOKS」へ、わりとアクセスがいいこともあって行ってみた。
サイトを見てアングラ寄りかと思ったら、サブカル全般といった感じで、古本よりもミニコミが置いてあるのが面白くて数冊購入。
久々にまた行きたくなる古本屋だった。

劇場版はマントの色もオシャレ。

NHK-BS2の「999」特番最終日は、みずからテレビ版しばりをかけてるにもかかわらず劇場版「銀河鉄道999」を放送。
これだけは例外扱い、ってのはやはりテレビ放映時の公開であることと、これを抜きにしてアニメ版999は語れないからだろうなぁ。

劇場版はその興業的性質から対象年齢があがっているんだけど、主人公の年齢設定・容姿をあげることでそれに対応、というのが大胆。
また時間的制約もあって、原作をうまくズラしている(トレーダー分岐点=ヘビーメルダーだったり、クレアの死に方は一緒だけど場所が違うとか)けど、今回見直して一番の違いは劇場版の鉄郎が999に乗る理由は「母親のかたきである機械伯爵への復讐」であって「機械人間になること」ではない点。これ、見逃しがちだけど重要な点。

音楽もゴダイゴを起用したりと、「銀河鉄道999」というより「THE GALAXY EXPRESS 999」という感じに仕上がっている。

それにしてもここにでてくるハーロックが一番みんなが思うキャプテン・ハーロックだよね。
なんでハーロックが主人公の作品はいまいちか、ってのは、ハーロックは憧れられてこそ光るからなんだろう。「まんが道」における手塚治虫みたいなもん。
その点、とくに劇場版では憧れられまくりなのでピカピカ状態。セリフ数も少ないのにセリフ一つ一つが珠玉過ぎ。

「銀河鉄道999」って鉄郎の母親のエピソードはいやというほど出てくるんだけど、父親は小さい頃に死んでるのでまるで出てこない(「さよなら~」は僕の中ではナシなので除外)。
しかし松本零士本人が同じだったかというと全然違っていて、彼は父親のことを尊敬しまくってる。
これが、たとえば鉄郎→ハーロックへのあこがれやアンタレスで描かれてるんだろう。

また劇場版はエメラルダスの乙女っぷりも見所。追っかけのタイミング悪すぎ。

ちなみに、この劇場版第一作が放映されていた前後の年、って日本のアニメーションのピークのひとつだね。
「ヤマト」がヒットをうけて「劇場版999」(東映動画が虫プロ出のりんたろうを迎えたのも面白い)、負けじと元東映動画組の宮崎駿が「カリオストロの城」を作り、虫プロ系の富野由悠季がタツノコ出の大河原邦男をつかまえて「ガンダム」を作る……。
スタッフが入り乱れて、それまでの日本のアニメーションの総ざらいがこの数年で行われているんだなぁ。

そりゃ、ブームにもなるわ。

2010年8月12日木曜日

どうした?ディズニーモータース

ミニカーの中でもトミカとディズニーもコラボ「ディズニーモータース」はかなり好きなシリーズ。

ディズニー&トミカ、というと子供向けと思いがちで、実際「ディズニートミカ」というシリーズは既存のモデルにリペイトしたりキャラのシールを貼ったりしただけの、大人の目からみると萎えるシロモノだったりする。

これに比べてディズニーランド周辺でしか買えない「ディズニーリゾートビークル」という別注モデルは、ディズニーランド内の乗り物に加え、まったくオリジナルデザインの商品をなんと新規金型で作っていたりと、かなり気合いが入ったシリーズ。限定品ゆえいつどんなものが出ているのか把握しにくいのも、逆に燃えたりするのだ。
とくに「ロック・アラウンド・ザ・マウス」というイベントででてきた車をミニチュア化したシリーズはイベント用の実車があるだけにクオリティが高く、中でも「ドナルドのサーフワゴン」は出色の出来。

その流れがあってかどうかは知らないが、「ディズニーのキャラクターたちが作った」という設定でできたのが「ディズニーモータース」。
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↑一番のお気に入り、おそらくメッサーシュミットをモチーフにした、デール(チップ&デール)のタップンタップ

いわれないとディズニーキャラクターをモチーフにしていることも分からないぐらいの雑妙なアレンジがよい。
最近ではヤンチャな「ピートのカスタムガレージ」というサブシリーズなんかもあって、なかなか凝っている。セブンアンドワイ限定品もトミカ全般でも珍しいマットなカラーリングだったり、僕なんかは「あ、自分にターゲットがあたっている!」と思ってしまった。
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ところが。

その「ディズニーモータース」最新作のトイ・ストーリーのがイマイチ。
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写真で見たときから「あれ?」という感じだったんだけど、実物もやはりなんだかエッジが効いてないというか、子供向けな感じがするんだよなぁ。
ディズニーストア限定品のチェシャ猫タップンタップもコレジャナイな出来でパスだった。

このシリーズは子供向けのシリーズと見せかけて、実は子供に向けて作ってないでしょ!という共犯意識がよかったのに、担当者変わっちゃったのかなぁ・・。

そんなことを考えていたら、なぜかまさかの文原聡Cubic Mouthとのコラボ。
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内装の色が素敵で思わず買ってしまったが……。

まさに、迷走!?

999にはどうしても乗ってしまう

NHK-BS2で放送の「全駅停車!銀河鉄道999ぜんぶみせます」。
999と聞くとどうしても気になってしまうのは三つ子の魂なんとやら、というやつか……。
それにしてもBS2、余命一年を切ったせいか、やりたい放題な気がする。いいけど。
銀河鉄道999 [Blu-ray]
松本零士
B0027ZCKAE

↑こちらは最終日放映の劇場版第一作。名作。

今回はメインがテレビ版の傑作選をメインに据えているのも自分にとってポイントが高い。

僕にとっての「銀河鉄道999」は、出来の良し悪しはともかくとしてこのテレビ版が主軸になる。子供の頃、なぜか風呂上がりの記憶とともに、このアニメはある。

今回の特集番組では裏話なども挿入されるんだけど、テレビ版の西沢プロデューサーがアニメ化するにあたって力を入れたところが2点あったという。
ひとつはストリングスやスキャットを多用した流麗な音楽の導入。
確かに手っとり早く「あの世界」にひたるには、青木望の担当したサントラを聴くのが一番だと、常々僕も思っていたのでこれはとてもよく分かる。
GALAXY EXPRESS 999 ETERNAL EDITION File NO.5&6 テレビアニメーション 銀河鉄道999
TVサントラ ささきいさお 杉並児童合唱団
B00005LCJH

そしてもうひとつは、高木均(ex.トトロの声!)による詩のようなナレーション。
新しい星に行く→見知らぬ人と出会い、事件が起こる→別れる→鉄郎の感想→メーテルの意味深な態度→それを総括するナレーション→エンディング「青い地球」→悲愴感ただようBGMにのせて車掌声での次回予告「~に停まります」、という黄金フォーマットは、いやがおうにも詩情あふれるものとなる。子供の頃、999を見ると不思議な気分になったけど、やっぱり意図したものだったんだなぁ。

そしてメーテルは、母でもなく姉でもなく恋人でもないポジションにいて、絶妙。これだけ色気のないヒロインも珍しいが、色気があると演出的に失敗だからこれは正しい。
ちなみに劇場版第一作の後半で立場的な事情から急に「乙女」になるのは、とても違和感がある。

「999」はやたらと印象に残っているエピソードとそうでないものとがあるけど、今回のセレクトには印象に残っているエピソード(たとえば「蛍の街」「枯葉の墓標」「大四畳半惑星の幻想」)や、友人が「こんな話があったよね」と言っていたエピソード(たとえば「C62の反乱」「これからの星」)も選ばれていて、楽しい。

今回見直して新鮮だったのは、貧困がテーマになっていることが多いことだ。
現在フィクションで貧困を描く、というのは少ないし、ギャグや単なる苦労話のオカズになることが多いけど、999では身近なものとして描かれていて、これは僕らの世代にはちょっと作るのは無理だなぁ、と思う。

細かいところでは、OP映像がマイナーチェンジするのも見所。「人は誰でも幸せ探す」のあたり、トレーダー分岐点に向けて出現車両が増えて(666とか888とか)、後半は宇宙に浮かぶ駅から各車両が出入りするというバージョンになっている。僕が一番覚えているのはこれだ。
アイキャッチも数種類あって懐かしい。

2010年8月8日日曜日

「大甲子園」読破。

今年も甲子園が始まったけど、僕は梅雨時期、一足お先に一人で盛り上がった。

それは水島新司の「大甲子園」。
大甲子園 (1) (少年チャンピオン・コミックス)
水島 新司
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ちょうど一年ぐらい前に偶然このマンガに出会った話は以前書いた
ずっと読みたかったんだけど、引っ越したことでなんとかマンガをおくスペースも増えて、ようやくヤフオクにて大人買い。

「大甲子園」は「ドカベン」の続編であり、かつ、水島新司の高校野球マンガオールスター戦でもあるのだ。燃えないわけがない。

しかもベースとなっているドカベンのキャラもうまく使っていて、最初は県大会決勝から始まり、因縁の白新高校・不知火との対決から幕を開ける。

そういった直球の展開もいいんだけど、たとえば昨年の優勝校・通天閣高校が甲子園出場できなかったり、土佐丸高校を破った謎の進学校が、犬飼兄弟の末弟で頭脳派ピッチャーの知三郎を擁した元・明訓の徳川監督率いるチームだったりと、どう考えてもドラマが生まれるでしょ、という人物配置をしてくる。

作画的にも、コマの使い方で投球のリズムと打者がそれを捉えるテンポを気持ちよく見せてくれ、野球とは球を追うスポーツと言えるけど、球の流れがマンガにおける目線の誘導とうまく融合していて読んでいて「野球を見ている」臨場感がある。
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しかし、このマンガの一番の魅力は会話にあると思う。
とにかく、みんなよくしゃべる。
対戦相手同士はもちろん、なぜかテレビ中継のアナウンサーと選手が対話していたり、テレビ中継を見ている他の高校の選手たちがごちゃごちゃ解説を入れたり、言葉が生まれるようなシチュエーションを抜かりなく用意している。
ここまでゲーム外のネームが多いスポーツマンガって珍しい。このあたりを継承しているスポーツマンガって、「キン肉マン」なんじゃないかな。

そしてそんなしゃべくりマンガの中で一番しゃべらないのが山田太郎で、ゆえにうるさいぐらいにしゃべりまくる岩鬼が、ある意味で主役なのは間違いない。
とくにこの「大甲子園」では山田太郎が意外と不振だったりして、岩鬼のここぞというところでの一発が印象深かったりする。

ちなみに、準決勝「球道くん」の青田高校戦は引き分け再試合なんだけど、どちらも地味な試合展開だったりする。
その反動か決勝戦がちょっとトンデモ野球マンガみたいになってて、やや「なんだこりゃ」な感はあり。

おまけ。
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こりゃないだろ!

2010年8月5日木曜日

ホットな「鉄板」が一枚あればよい。

「トイ・ストーリー」シリーズは、アンディというキャラがあまり好きじゃなく、そんなに熱心なファンではなかった。
なのに、なぜか「3」はシリーズ完結、3D初体験(ちょい違うか)ということも手伝って興味があり、思わず初日初回で観てしまった。
THE ART OF トイ・ストーリー3
チャールズ ソロモン スタジオジブリ
4198629943

これが予想通りというか、すばらしい内容で、とにかくラストがいい。見に行く前にいろいろと予想してみたけど、これは思いつかなかった。けど観た後には「これしかないよなぁ」と思わせるような、鉄板なラスト。

偶然、雑誌で監督のインタビューを読んだら「今回はラストが決まった後はいつもの通りやればよかったから比較的楽だった」てなことを言ってて、なるほどなぁと思った。

そうなんだ、ブレないアイディアがひとつ、たったひとつあればいいんだ。
それさえあればあとはついてくるはず。

これがなかなか分からないんだよなぁ。

と自分のダメな仕事っぷりを猛省しつつ、もう一つ、上半期に熱中した深夜アニメ「四畳半神話大系」のラストも秀逸で、これ(アイディア)があればあとは面白くなるなる、と確信できるような類の作品だった。
四畳半神話大系 第1巻(初回限定生産版)[Blu-ray]
B003LW9SFM

どれぐらい違うのだろう、と原作の小説を読んでみたら、ラストのアイディアは原作のもので、アニメ版はよりそれが際だつような構成を全体通してとられている。
四畳半神話大系 (角川文庫)
森見 登美彦
404387801X

やっぱり大切だなぁ……。


2010年8月4日水曜日

ポメラを待ちわびたこの10年のこと。

自分はパソコン歴20年近くになるのに、ずっとメインマシンはデスクトップで、いまひとつノートと相性がよろしくない。

仕事がほぼデスクワークで、遊びに出るときも荷物は最低限、という人間なのでモバイルに対する欲求が弱いからかも。

そんな僕だが、10年ほど前になるが、モバイルギアⅡユーザーだった時期がある。
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この手のWindowsCEを搭載したマシンをハンドヘルドPCと呼んでいたけど、OSをROMに積んでいるため起動時間がほぼゼロという点が魅力的だったのだ。

2001年にwebでハンドヘルドPCについて書いたんだけど、当時僕は求めていた条件を以下のようにまとめている。

  • ポンと押せば起動し、すぐ電源を切れる(パーフェクトなレジューム機能)
  • ある程度打ちやすいキーボード
  • マックとテキストデータのやりとりができる
  • 通信などはできなくてもいい・極端な話エディタ以外のアプリはいらない

これ、まさにポメラのことでしょ!分かっていただけたでしょうか、僕がポメラををいかに切望していたのを。

10年前にモバイルギアの存在を知ったきっかけは、その頃発売された「シグマリオン2」に興味を持ったことだった。
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ただ、実際に触ってみるとキーボードが小さすぎてダメだった。ヒューレットパッカードの「Jornada720」なんかも同様の理由でダメ。
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いろいろ調べた結果、当時すでに絶滅寸前だったシグマリオンの先祖・モバイルギアⅡのことを知り、展示品を3万ぐらいで買ったのだった。新品だと10万したんですぞ!!

しばらく喜んで使っていたんだけど、持ち運ぶには大きすぎたこと、中古だったこともありバッテリーがへたってしまったことなどからだんだんと使わなくなった。

そのうちXPを搭載したPCに買い換えてから、サスペンド機能が使いやすくなって、この手のガジェットには興味を失っていった。

ハンドヘルドPCもネットワーク機能を重視するようになるとi-modeをはじめとする携帯電話の進化に勝てなかったり、ダウンサイジングしたことでテキスト入力マシンとしても中途半端になり、その存在意義を失っていき、ここ数年はほぼ壊滅状態だった。
僕ももうそういう製品を求めるのはやめていて、初号機DM10が出たときもほとんど興味がなかった。

でもやっぱり、モバイルギアなどに、通信端末ではなくテキスト入力機能を求めていた層というのは確実に存在して、KING JIMはその金脈を掘り出した。

開発秘話を読むと、KINGJIM内でもかなり疑問視されていたらしいけど、社外取締役である慶應義塾大学の印南一路教授だけが「出たら絶対買う」といったことで現実化したという。(「文字入力しかできないの?」「携帯電話以下の機能じゃないか」「それで2万円以上の価格なんて売れるはずはない」。参加していた役員15人のうち14人が相次いで反対し、「待ちに待っていた商品だ」と絶賛したのは、ほかならぬ印南教授ただ1人だったという。

だから、ポメラをネットブックやiPhone+キーボードと比べるのはちょっと違うと思う。
「テキストを思いついたときすぐに、ある程度快適に、書きたい」
という要素を一番プライオリティの高い必要条件としてみた場合、これにかなうツールは今のところ僕は知らない。

隣のメカ設計事情レポート(3)ポメラのメカ設計~日中をつなぐ3次元モデル~
ポメラは熱い妄想から生まれた!? 開発者が語る誕生の秘密とこれから
デジタルメモ「ポメラ」開発者インタビュー
デジタルメモ「ポメラ」開発者インタビュー 第二部 仕様編
前編 写真と動画で“見る”「ポメラ」の開発秘話
後編 写真と動画で“見る”「ポメラ」の開発秘話
がっかりしないために:ポメラについて知っておくべき、いくつかのこと(前編)