2007年8月29日水曜日

口ひげの人には要注意。

一時期「開運!なんでも鑑定団」をかかさず見ていた時期があったけど、僕が反応するのは北原さんや「流体力学」のツルツルの人が鑑定するものが多くて、中島誠之助が担当するものはあんまり興味がなかった。

ニセモノはなぜ、人を騙すのか? (角川oneテーマ21 C 135)
中島 誠之助
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でもこの本を読むと、あのオッサン食えないなぁ!と思わされるし、骨董の世界はかなりカオティックな世界であることが分かる。

とにかくこの本、言ってることが矛盾だらけなのだ。

よくできたニセモノの存在を必要悪的に肯定しながら、ガラクタレベルのニセモノは断固として認めない、という変な理論を展開する(いや、読むと言いたいことは分かるんだけど納得はしがたい)。また師匠でもある養父が作ったレベルの高い贋作のエピソードを、師のレベルの高さを評価するために出してきたりもしている。おいおい、いいのかこれ!?
骨董の勉強だけしてないでいいものを見るように努力しろと言いつつ、歴史などなどを勉強しないとだめだという。
また自分の目だけを信じろと言いつつ、ものについている「付加価値」は大事だと語る。

読んでてけっこう混乱した。あれ、さっきと言ってること違わない?と。
もっともそうした矛盾を内包しているからこそ面白いんだろうけど。彼自身が言うように骨董の世界は魑魅魍魎が跋扈する世界に違いない。

他にも面白いウンチク話もたくさん入っていておいしい。
鑑定家と骨董商の違いや、コレクターと目利きの違い、鑑定書・箱書きとは何か、とか。箱書きってのは「誰それリコメンド!」っていうレコード屋のキャプションみたいなもんなんだなぁ。
あと、骨董を見る際にはそれが生まれた時代の照明で見た方がよさが分かる、という話はなるほど。

いやぁ、ほんといい仕事だわ、ヒゲの人。

余談だけど、この本は新書でありがちな聞き書きだと思うが、話題が重複してたり時々だけど文章が話口調になるのはどうにかならんのか>ゴーストライター。なんか聞き書きだと分かってガッカリするんだよなぁ。

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さて、骨董を買う側の本ではこれが面白い。

この骨董が、アナタです。
仲畑 貴志
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小西康陽氏も「QUICK JAPAN vol.42」の「小西康陽が小西康陽になるために読んだ100冊」の中で取りあげており、曰く「白州正子や青山二郎の本を読んだ後だったから面白かった。DJの話と置き換え可能」だそうな。

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そういや、今一番新刊を楽しみにしてるこれの5巻がやっと出た。

へうげもの 5服 (5) (モーニングKC)
山田 芳裕
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次巻で「北野大茶会」らしい。
あと「度胸星」が講談社から再刊だってさ。

2007年8月13日月曜日

というわけで、夏です。

今週はBS2で押井守特集をやってて、監督本人の作品解説が面白くてついつい観てしまう。「パトレイバー2」「攻殻」は今回も観てしまったけど、やっぱり何度見ても面白い(他の作品は何度も観たいとは思わない)。
人気ランキングでは「劇場版機動警察パトレイバー2」「劇場版機動警察パトレイバー1」「攻殻機動隊」……という順番(結果はこちら)。

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8/11はNHK-FMで「今日は一日懐かしのアイドル三昧」などという好番組をやっててほとんどそれを聴いてた。

8/12夜には同じくNHK-FMで恒例の「小山田圭吾の中目黒ラジオ」。放送が不定期とはいえ正月とお盆なので、帰省する頃になると何となく思い出して聴いている。

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甲子園、まさかの駒大苫小牧初戦敗退(つっても早実なんて予選敗退だけど)。
これ、地上波テレビでは放送してなくてBS-Aで見ることができた。デジタルレコーダー買ってよかった。

出身地の石川県・星稜はあっさり負けた。
今年は新潟明訓の二番打者・イワキ(岩城)選手に注目。もちろんスタンドには夏子はんが。

どこが優勝するのやら。

2007年8月5日日曜日

アニメ版は場面転換のアイキャッチがしつこかった

正直

「トランスフォーマー」の映画化

ときいてプー、クスクス、マジで?と半分バカにしてたんだけど、「えっ制作がスピルバーグなの?」とか「意外とメカがリアルじゃん?」とか「侵略SF!?なるほど」とか「トレイラーが思ったよりすごい」とかどんどんプラスが多くなっていって、それでも特に劇場に行くほど……と思ってはなかった。

しかし。
先週子供と観に行った「レミーのおいしいレストラン」(これ自体は個人的にはまぁまぁ)で一番面白かった部分が「トランスフォーマー」の予告編だったわけで、すぐに前売り券を購入。一週間後の公開を心待ちにしていたのだった。

だもんで、公開初日の初回上映に行くという気合いの入り具合で、個人的に「ここまで期待しちゃって大丈夫か?」と不安ではあった。

が。

こりゃスゲェェェェェ!!!
こんなんが観たかったんですぅ、スピルバーグ先生(とマイケル・ベイ監督←ちょい半信半疑)!!

前評判では、ストーリーがしょうもないとかコメディ部分がいらないとか前半がアクション小出しでタルいとか聞いてたので覚悟してたんだけど、え~全然問題ないじゃん。
冒頭のプロローグから持ってかれて、2時間半ぐらいの長さがまったく気にならなかった。
最近のSF映画で、かつ人に説明をする際に擬音が多くなるタイプの映画(ex.「ド~ンとなってババーンとなるんだよ」)で、こんなに満足したのは久々。
以下、気に入った部分。
くわしくは後述するけど、ロボットがとにかくカッチョイイ。動いたときに格好良くみえるデザインになってるのでは。
コンボイたちが変形するとしゃべらなくなるのがかわいい。車になってるときはなぜか「だんまりモード」みたいな感じになるのだ。
サイバトロン側はロボット形態の方が移動スピードが速いのも笑える(変形の意味はカムフラージュだけかよ!!)。とくにコンボイが遅ぇ!もっとも重量感があって「コンボイが来たから安心」て感じがするんだけども。しかもきちんと整列をして移動するのもなんかかわいい。
逆に敵側は飛行機、ヘリ、戦車と、変形しても凶悪なのがよい。
ロボの立ち姿が美しい(特にコンボイ)。ロボには日本人スタッフが関わってるらしいけど、あの立ち姿は日本人のセンスだと思うが、どうなのかな。
ストーリー上、都合よすぎるぐらいに文科系とナード系が優遇されるあたりが、この手の映画を見がちな層(て自分だよ!!)にマッチして共感度高し。モデル系ヒロインが実はメカと車の操縦が得意、ってどんな都合のいい設定なんだと(笑)。
ちなみに、コメディ部分てかドラマ部分てモロにアメリカ青春映画のノリなんでは?僕はそもそもアメリカ青春映画が大好物なので、まったく気にならなかった。くだらないギャグとかじゃなくて、青春が持つ特有のしょうもなさってああいうもんだと思うけども。
しかも、そんな文化系男子とロボが友達に!僕と握手!
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ところで、個人的にはずっと「巨大ロボットものをアニメじゃなく実写で観たい」と子供の頃から思っていたんで、時々公開されるその手の映画はけっこう観ていた。
しかし、それは
「ロボ・ジョックス」でストップモーションの限界を知りガッカリ、
「ガンヘッド」や平成「ゴジラ」シリーズ(たとえば人間が乗り込むメカゴジラとか)など東映系の特撮映画を脳内変換かけながら観たり(けど、着ぐるみでもムリだと思った)、
「パワーレンジャーザ・ムービー」のCGロボで、おお、CGならイケるのかも?と期待し、
しかし、「Gセイバー」はなんか違う……と落胆し、
……てな期待とその裏切りの歴史(あくまで個人史だけど)であった。
だもんで、そもそも世代が少し違うためあんまり知らない「トランスフォーマー」もどうせこれまでと同じだろうなぁと思いこんでいたけど、いい意味で裏切られた。
もちろんCG技術があがって可能になった部分も大きいんだろうけど、「トランスフォーマー」が今までの巨大ロボ映画と違うのは、ロボットが自律して動くところなんじゃないかと思った。劇中でも「オートボット」と呼んでるけど。というのも、人間が乗り込むとなるとどうしてもロボが嘘くさくみえるのだ。操縦者を内包するとデザインにも制約が出るし、動きも現実の乗り物の延長線上にないとリアリティがなくなる。
「トランスフォーマー」のロボってロボットの形をしてるけど、モビルスーツよりもウルトラマンとかキングコングとかの「怪獣」に感覚が近いと思った。
またいわゆる「宇宙人」で、こちらから見るとやや知能が低く見えるのもロボものにありがちなツッコミたくなる部分をやわらげている。たとえばバンブルビーがラストまでしゃべれないのって、なるべくそういった「やさしい怪獣」的な演出をしたかったからだと思った。
ともかくこの手の作品で初めて一本の映画作品として鑑賞できた喜びは大きい。
続編も期待大。

2007年8月2日木曜日

自作自演乙>久保田利伸「It's BAD」

ずっと前から「そもそもそんなもの存在するの?」「でも、あったらぜひぜひ聴いてみたい」と思ってたのが、久保田利伸がデビュー前に田原俊彦に書いた「It's BAD」のセルフカバーバージョン。

それが!!あった!!聴け!!(コーフンして命令調)


久保田利伸 「すごいぞ!テープ A面 It's BAD~I Wish~A Song For You」

かっこよすぎぃぃぃぃーーーーー!!
もう脳内で想像してたものより数倍よかった。すごいね、久保田利伸。

もういっちょ、夜のヒットスタジオに出たときのライブバージョンも。


久保田利伸 「It's BAD」(夜のヒットスタジオ1987年10月)

ちなみに前者のスタジオテイクについてはこちらをどうぞ

すごいぞ!テープ-Wikipedia

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なんで突然こんなものを探したかというと、先日「80年代歌謡曲2.0」で書いたトシちゃん選曲作業の際に思い出したのと、偶然このCDを聴き直したからなのだ。
SOUL TREE~a musical tribute to toshinobu kubota~
ATSUSHI from EXILE Keyco,RHYMESTER BOO BOO
B000ALMUZW

このトリビュートで、誰かが久保田バージョンの「It's BAD」を完コピでもしてたら面白かったのに。
調べてみると、セルフカバーはしてるけどかなりレア、とのことで残念と思ってたんだけど、ふと、YouTubeならあるのでは?と思って検索してみるとビンゴ!
YouTube、すごい。
もっとも、実は久保田利伸って別にそれほどファンなわけではない。
でもやっぱり日本の歌謡界にブラックミュージックの流れを作ったパイオニアという点ではすごいなぁと思う。なにせ田原俊彦がテレビで歌ってた「It's BAD」は、田舎の小学生(=自分)に明らかに「この曲はなんか違う!」と思わせたもん。

2007年8月1日水曜日

マンガ雑誌のある生活

子供の頃は夏休みになると田舎に遊びにいったもんだけど、その時に楽しみだったのが、その頃祖父・祖母と一緒に暮らしていたオジサンやオバサンが読み終わったマンガ雑誌をもらうことだった。

僕はずっと単行本でマンガを読んでいたので、そこでマンガ雑誌を見るまで「雑誌連載を集めたものが単行本になる」ということを知らなかった。全部書き下ろしだと思っていたのだ(ゆえに「書き下ろし」の意味も分からなかった)。
たとえばジャンプでやっている「Dr.スランプ」なんかはものすごい変な感じがしたものだった。

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それからもマンガは単行本中心で読んでいたけど(だって何度も読めるじゃない)、中学生の頃はみんなが読み終わったジャンプをもらって読んでいた。だから自腹でジャンプを買ったことは実は一度もない。

というか、自腹で買ったマンガ雑誌というのはそれからしばらく経った大学生の頃に買っていた「ビックコミックスピリッツ」ぐらい。読み始めた頃は確か「鉄コン筋クリート」を連載していたけどよく分からなくて飛ばしていたっけ。その後好きなマンガが減っていき、「ピンポン」が終わってしばらくして雑誌自体を買うのもやめた。

それ以来、10年以上もマンガ雑誌を定期購読することがない。
ビデオゲーム関連の会社なので社内のあちこちにはマンガ雑誌があるんだけど、いかんせん連載ものってのは「大縄飛び」みたいなもので、入るタイミングが難しい。連作短編ならすんなり読めるんだけども。

先に書いたようにマンガ雑誌でマンガを読む習慣がないのは確かなんだけど、単行本は買ったりしているから、決してマンガ嫌いではない。
むしろ週に一冊ぐらいマンガ雑誌を楽しみにする、という生活には憧れる。

しかし、きっかけがないんだよなぁ……。