2009年8月31日月曜日

見る方が好き、ということもある。

ミニカーを買うようになって自分がある狭い範囲の車に特別にひかれることを自覚したけど、では実際に乗る方がどうかというと、たまにレンタカーで家族をつれて出かけるぐらいで特別、現行車や運転が好きだったりするわけではない。

ではあるけど、自分が大好きな、たとえばイセッタなんかのオーナーになるのはなんとなく自分の夢だと思っていた。
そもそもそういった車は展示では何度も見たことがあっても、動いている姿も、ましてや乗ってみたこともなく、かなり漠然とした夢ではあった。

それが3月に開催されたお台場MEGAWEB10周年謝恩企画「ヒストリックカー同乗試乗会」で、動いている姿を見るのはもちろん、助手席に乗らせてもらうこともできた。
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「ヒストリックカー同乗試乗会」というイベントで、ラインアップはTOYOTA2000GT、コスモスポーツ、ヨタハチ、スカイラインGT-R、フェアレディZ 432、デロリアン、フェラーリディーノ、ジャガーEタイプ、ベンツ280SL、イセッタ。
TOYOTA2000GT、デロリアンが人気だったけど、目当てのイセッタは人気がなくて余裕で予約でき、ついでにヨタハチも乗せてもらえた。

で、その感想なんだけども、自分が運転してない、というのも差し引いても、

「自分が好きな車に乗ることにはさほど興味がない」

という結論に達してしまった(笑)。エンジン音がどうこうとかタイヤから感じるフィーリングがどうのこうの、とかゴメン、あんまり興味なかったです。
それでもやっぱり走ってる姿を眺めているのはとても好きで、はじめてイセッタの走る姿を見られて感動した。
というか、自分が乗っていたら走ってる姿を眺められないではないか!!

鉄道でいうと「乗り鉄」ではなく「撮り鉄」的なタイプなんだろう。

でも乗ってみないと分からなかったので、MEGAWEBには大感謝!

2009年8月30日日曜日

コンセプトは「中の人などいない」

はっきり言って初音ミクムーブメントって、面白いとは思うけど、あんまり興味はなかった。

昨今のネット特有のネタ文化、たとえば「痛車」みたいな盛り上がり方がちょっと苦手なのだ。やってること自体には否定的ではないんだけども、ネタ振りありき、ってのがちょっとイヤ。

とか思ってたけど、こいつにはやられた……。

Hatsune Miku Orchestra
HMOとかの中の人。(PAw Lab.)
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もちろん元ネタはこれなんだけども、

イエロー・マジック・オーケストラ(US版)
YMO
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初音ミクにYMO、ってあまりに直球過ぎて考えたこともなかった。
そして聴いてみると、これが面白いんだなぁ!

そもそもYMO、特に初期は「匿名性」というか「どれだけ音楽を肉体性から離れさせることができるか」という実験でもあったと思うんだけど、そのコンセプトと「VOCALOID」はとても親和性が高い。

それにもかかわらず、「初音ミク」の歌わせ方がボコーダー的ではなく、たとえばオリジナルYMOのライブでのボーカルアレンジを引用したりと、意外と「歌わせている」のが興味深い。
バーチャルだからこそついつい肉体性を求めちゃうのか分からないけど、このアンビバレンツも魅力的。声から身体が立ち上がってくるような立体感を感じる。

また「歌ありき」というしばりがあるから、選曲が今までのカバーアルバムとはちょっと違うのもよい。
「EXPECTING RIVERS」「KEY」「過激な淑女」「LOTUS LOVE」とかあんまり取り上げないでしょ。
そもそも女声ボーカルでYMOを聴く、という体験自体が新鮮。「YOU'VE GOT TO HELP YOURSELF」「ONGAKU」なんかはそのせいもあってかなり好き。

まぁ、元がガッツリとボーカルものだったらここまですんなり聴けないのかもなぁ。
この「カタコトしか話せない帰国子女的なたどたどしさ」って愛玩性につながるんだろうか。「声」がこれだけすんなり1つのキャラクターとして受け入れられたのは、もちろんイラストレーションの秀逸さもあるだろうけど、そういった面もあると思った。


マスタリングが本家・小池光夫氏、ってのも面白いね。

本家といえば、最近YMOがライブで昔の曲をやってるけど、あれも言ってみればカバーっぽいよなぁ。やっぱり新曲よりも面白いよね。
ただやっぱりこうしたピコッてるYMOを今までとは別の形で聴きたい(ex.ライブ、秘蔵音源、リミックス)、という欲求はけっこう根強い。
もし本家がこういうことやろうとしたら、たとえば木村カエラなんかを連れてきちゃって、「ちょっと違う……」とかなるんだろうなぁ。

初音ミクでクラフトワークもやったら面白そうだね。と思ったらやっぱりあった(笑)。


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それにしても久しぶりに買ったYMO関連商品だった。
数年前はかなり買っていたけど、最近はチェックすらいい加減な状態。
そうしている間に本家も再結成に近い状態になったけど、「ふ~ん」という感じ。
もっとも以前に比べればアイテム自体もそんなに出てないけど、以前はすごかった。
同一アーティストによる一枚丸ごとのカバーアルバムだと
・イエロー・メタル・オーケストラ/メタル・サービス (1998)
・YMO & 爆笑問題+長井秀和/X∞増長(1998)
・コズミック・ヴィレッジ/NICE AGE (1999)
・Yセツ王(2001頃)
・RESONANCE-T/YMO TRANCE(2002)
・といぼっくす/Acoustic YMO (2005)
・セニョール・ココナッツ/プレイズYMO(2006)
・anonymass/anonymoss(2008)
カバーコンピレーションだと
・NEO TECHNOPOLIS 繁殖(1992)
・WHO'S YMO(1993)
・YMOのカバ(1993)
・TRIBUTE TO YMO(2004)
REMIXはきりがないけど、有名どころで
・HI-TECH/NO CRIME
・TECHNOPOLIS 2000-01、2000-00
この手ので一番好きだったのはカバーやリミックスではなくパロディの
・OMY(1996~1997)
O.M.Y.(オリエンタル・マグネティック・イエロー)
ORIENTAL MAGNETIC YELLOW
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かなぁ。音とかアレンジはYMOなんだけど、メロディがなんか違う、っていう。一瞬別次元に飛んだような面白さがある。

そしてまだキテレツのことを考えている。

「キテレツ大百科」を読んでいて思ったけど、コロ助ってかなりコキ使われてるわりにあんまりキテレツに大切にされてないんだなぁ。

この感じ、なにかに似てる気がした。

……と思ってちょっとホワンホワンホワワワ~ンと考えてみたら、

「キャイ~ン」の天野くんとウドちゃんの関係に似てるんだ!
ホラ、天野くんもメガネかけてるし!

2009年8月29日土曜日

THIS IS 80's POP

1970年代後半から1980年前半は、雑誌「POPEYE」などの影響でアメリカ西海岸のスタイルが日本でも流行っていたのは、自分が1973年生まれだから今思えば……、という感じ。今20歳ぐらいの人にはピンとこないだろうなぁ。

このあたりのことは今後の研究テーマ(?)でもあるんだけど、その影響は漫画やアニメにもあって、たとえば「Dr.スランプ」なんかはもろにそう。



赤いシュビムワーゲンからはじまるエンディングって改めてすごいな!

タツノコの「ムテキング」。
映像を見てもらえば分かるけど、かなり80年代的ポップ。とくに50秒あたりから注目。



アラレちゃんもムテキングも1980年のアニメなのが、なるほど。

満腹。

このblogでも紹介したNHK-FM

2009年8月15日(土) 前9:00~後11:00
「今日は一日“なつかしのアイドル”三昧」

2009年8月16日(日) 前9:00~前1:00
「今日は一日“SF・ヒーロー音楽”三昧」

アイドルの方はかなり生でも聴いてたけど、いつものように

TALKMASTERⅡで録音

Slice Audio File Splitterでファイルを30分ごとに分割(扱いやすくするため)

iTunesに登録して、プロパティ>オプション>再生位置を記憶にチェックを入れる

iPod Shuffleに転送して聞く

という流れで全部聴いた。

いやぁ、かねてから理想のラジオ番組とは一切自分の嫌いな曲・聴きたくない曲がかからない番組だ、と思ってたけど、前者がまさにそう。70年代~80年代アイドルという時代しばりがすばらしくて、夢中になって聴いた。

曲としては、キョンキョンが歌ってた「素敵なラブリーボーイ」の林寛子元曲バージョンを初めて聴いたのが収穫。林寛子バージョンはなんか色気むんむんでキョンキョンと感じが違った。ちなみに林寛子は「レッドビッキーズ」で自分にとって憧れのお姉さんだった。
あと、Cocoの「はんぶん不思議」ってタイトルだけはやたら知ってるけど初めて聴いた。なんか女の子がいつか分かれるんだろうなぁ……と思ってる歌詞が新鮮。

特撮・SFは予想通り内容が散漫ではあったけど、思ったよりも楽しめた。昨年末のアニソン三昧は、最近10年のアニメを全く知らないものだからあまり楽しめなかったけど、特撮・SFはけっこう昔の曲がかかってて安心。

ちなみに自分がリクエストした「地球防衛軍テラホークス」の「ギャラクティカ・スリリング」はかかったけど、違う人のリクエストとして、だった。残念。今までラジオのリクエストで読まれたことがない……(というほど出したことないけど)。

2009年8月27日木曜日

コロ助のカラーリングが不定。

自分の中で、「キテレツ大百科」はオチが冴えないいまひとつなマンガ、って評価だったんだけど、このたびの大全集第二回配本で読み直したら……。

キテレツ大百科 1 (藤子・F・不二雄大全集)
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あれっ、キテレツってこんなに面白かったっけ??

もちろん、キテレツ特有の工作シーンなど魅力的な部分があるのは分かっている。
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机に定規をあててる描写が芸細。
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そしてその定規を持ってるキテレツに萌え。
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コロ助にゴミからヘッドフォンを見つけさせてそれを利用するというリアリティ。


それにしてもこんなにグイグイ読ませられちゃうのか?と不思議。

キテレツって「こどもの光」という雑誌で連載されていたそうだけど、この雑誌は農協(現JA)発行の学研「学習」「科学」みたいなものなのか。ちょっと学習マンガっぽい部分があるのはそのせい。
コロコロでいう「ホビーマンガ」的な面白さがあるけど、そのホビーが「発明工作」というのがさすがは藤子先生。

同じく「こどもの光」で連載された「ドビンソン漂流記」も居候の宇宙人がいろいろ作るという設定らしいけどますます読みたくなった。

今回の全集は単行本未収録作品が掲載されているのも、面白く読めた原因かも。
僕が持ってるのはコロコロ文庫版だけど、「聞き耳ずきん」「公園の恐竜」「冥府刀」「地震の作り方(文庫時に地震に配慮して掲載見送られたらしい)は読んだことがなかったし、面白かった。

あと、文庫と比較してみたけど絵のサイズが全然違うのもポイント高い。サイズ的には2倍だもんなぁ。いわゆるハイビジョンで読んでる感覚。

ちなみにキテレツのプロトタイプのイラストが載ってるんだけど(348ページ)、コロ助の無垢な表情が笑える。

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ところで第一回配本の「パーマン1」がいまだに読み終えられない……。つくづく自分は旧パーマンが苦手だなぁ。まったく面白いと思わない。
主人公が近所とコミットしない「パーマン」「TPぼん」「モジャ公」などがことごとく苦手なんだよなぁ。あと「バケルくん」もわりと仲間と閉じちゃうので苦手。

2009年8月22日土曜日

「大」の意味がよく分かる

先日短い夏休みを利用して止まった宿に、大量の漫画があった。
その中に以前から気になっていた「大甲子園」があって、思わず手にとる。

大甲子園 (11) (少年チャンピオン・コミックス)
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記憶をさかのぼること数十年前……。

夏休みになると父方・母方の里に帰っていたけど、そこにいた叔父がマンガ雑誌を買っていて、それをもらうのがとても楽しみだった。
その中にチャンピオンもあって、「あれ、あのアニメのドカベン?」と思ったのにタイトルには黒々とブッとく「大甲子園」とある。
その時はそれ以上気にしなかったけど、のちに「大甲子園」というのは「ドカベン」の続編であることを知った。

そしてもっと衝撃だったのは、大学時代にドカベンファンの友人から聞いた「大甲子園は水島新司オールスターマンガである」という事実!
……といっても、「ドカベン」「あぶさん」ぐらいしか知らないからあんまりよく分からなかったけど、ずっと読んでみたいとは思っていた。

1巻から読み始めると、うわ、テンション高い。明訓3年夏の神奈川県大会からはじまるわけだけど、離脱していた里中が復活。盛り上がる。

wikipediaを見ると

『ドカベン』山田太郎の明訓高校や、『球道くん』の中西球道、『一球さん』の真田一球、『ダントツ』の荒木新太郎、『男どアホウ甲子園』の藤村甲子園の双子の弟らが大甲子園で激突。さらに『野球狂の詩』の岩田鉄五郎や水原勇気たちも球場に駆けつける。


とあるけど、他のマンガを知らなくてもムチャクチャ面白い。

ちなみに「ダントツ」という作品は「大甲子園」をはじめるための噛ませ犬的なマンガだったそうな。すげーな。だから「ダントツ」の中で明訓が勝ち上がっていったりといった伏線が張られていて、「ダントツ」終了の次週から「大甲子園」が始まるというお膳立て。
甲子園ではやっぱり明訓と対決する。

なお「一球さん」は「男どアホウ甲子園」の直接の続編だそうで、wikipediaによると

前作(=「男どアホウ甲子園」:引用者注)終了から一ヶ月で連載がスタートした。時系列的には藤村甲子園の南波高校時代から七年後で、豆タンこと岩風五郎が巨人学園の監督として登場しているほか、藤村甲子園や丹波左文字、甲子園の弟である球二と球三も南波高校の一員として登場している。


とのこと。この球二と球三の南波高校も「大甲子園」に出てくる。

当然、高知からは犬飼の土佐丸高校が来ると思ったら敗退、なんと元明訓監督徳川が率いる、犬飼兄弟末弟・犬飼知三郎の室戸学習塾が出場。明訓とは初戦であたるんだけど、知三郎のキャラが兄と全然違っているなどホントにキャラ立てがうますぎる。

明訓は3回戦で「一球さん」の巨人学園、順々決勝で「ダントツ」の光学園、準決勝で「球道くん」の青田高校と対戦。決勝戦ではなく準決勝で引き分け再試合までさせて盛り上げるのがリアル。

試合の流れもそうだけど、コマ割もうまいなぁ。

「大甲子園」をリアルタイムで読んでた水島ファンのテンションのあがり方ってどうだったんだろうなぁ。すごく知りたい。
自分だったらむちゃくちゃ興奮するなぁ。

そして衝撃なのがwikipediaのこの文章。

水島新司は当初からこの作品を実現させるために、どの高校野球漫画も3年春の全国大会までで終わらせていた。


脱帽するしかない。

あの映像集団のひみつ

よくよく考えてみると、ピクサーの映画はほとんど劇場で観てたり、もしそうでなくてもDVDなどで全部観ている。とくに熱狂的信者というわけではないし、「トイ・ストーリー」もあんまり好きじゃないのに。

きっとピクサーの映画は、自分にとって必ずあるクオリティには達していることが保証されていて、そしてそれは劇場料金を払う価値のあるクオリティなのだ。

そんなピクサーだけど、なんで最初はルーカスフィルム傘下にあって、なんでその後appleのカリスマ・スティーブ・ジョブスのものになって、なんでそこからディズニー傘下になったのか、かなり謎だった。

それがこの本で氷塊。

メイキング・オブ・ピクサー―創造力をつくった人々
櫻井 祐子
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そもそもピクサーというのは、CG技術集団の皮をかぶった映画集団だったことが分かる。表向きはCGの、たとえばハードウェア、ツールなどソフトウェアを作りながら常に自分たちの映像を求めていたのだ。
その表の顔のため、ルーカスフィルムにいたり、不遇時代のジョブスに買われたりしたわけだけど、お荷物だったピクサーの可能性にジョブスが気づいてApple復帰とともに彼を復活へと導く。

また、その映画を作る野望の中心であったジョン・ラセターは元ディズニーだったり、ディズニーがセルをデジタル化する際にピクサーの技術を取り入れたり、とディズニーとの関係は濃厚であった。
ちなみに、セルがデジタル化されるメリットって工程的なモノだけだと思っていたら、セルを重ねた際に透けて色が変わってしまう、ということから解放されるということがあったというのも初めて知った。

しかし、ディズニーもCGアニメには懐疑的で、「トイ・ストーリー」製作が立ち上がってもフタを開けるまでは自分たちを脅かす存在だとは思っていなかったことが分かる。
脚本にも口を出し、送り込んだ人物の1人にジョエル・コーエン(コーエン兄弟)までいたとは知らなかった。

それ以前にも良質の短編があったわけだけど、商業的にはその「トイ・ストーリー」がドカン!と当たったものだから、ピクサーは一気に映画集団になれたわけだ。

ディズニー時代は協力者だったのにドリームワークスへと移ったら敵となったジェフリー・カッツェンバーグとの確執、その後のディズニーのトップ、マイケル・アイズナーとロイ・E・ディズニー、ジョブスの対立などビジネスものとしても読みどころ多し。

その他、細かい部分でもえっ!?と思うようなことが書かれている。

ピクサーのトップ、キャットムルのユタ大学の博士課程時期には環境的要因もあって、アラン・ケイ、シリコン・グラフィックス社やネットスケープ社の創設者であるジム・クラーク、アタリの創設者ノーラン・ブッシュネルなどコンピュータ業界のカリスマたちがウヨウヨしていた。

一方、ラセターがいたカリフォルニア芸術大学にはやはり環境的要因があり、アニメオタクが集まっていた。のちにピクサーで合流するブラッド・バード、「アラジン」「リトルマーメイド」などの監督ジョン・マスカー、そして一年下にはティム・バートン!すごいな。
ちなみにブラッド・バードはその後「キャプテンE.O.」の脚本に携わっていたとか。

面白かったのが、「トイ・ストーリー」のウッディは初期段階では今よりもかなりいけすかないやつだったというエピソード。ピクサーは主人公が葛藤を経て変化していくことを脚本の主眼に置く、というポリシーがあるようで、ゆえにときどきピクサーの主人公がいけすかないのはこのためか!と合点がいった。

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その典型的な作品が「カーズ」だと思う。
初めて劇場で観たときには「なんか主人公イヤ」と思って自分の中では評価低かったんだけど、その世界観はかなり気に入っていてアートブックは愛読。
そしてこのたび、以前から手に入れようと思っていたブルーレイディスクが30%引きになっていたので購入。初めてブルーレイディスクを買った。
カーズ [Blu-ray]
B000TENOTG

やっぱり脚本はイマイチだけど、個人的に宝石箱のような映画かも。ブルーレイだから画質もすごいし。
「メイキング・オブ・ピクサー」でも「カーズ」の興行成績は他作品に比べてふるわなかったとあるが、ラセター自身は大変思い入れのある作品であって、宮崎駿でいうと「紅の豚」にあたるのかなぁ。
もっとも、グッズ売り上げはかなりのものだと思うけど。
それにしてもこのディスクの仕様が最悪で、一度停止ボタンを押すとレジュームがきかず必ず冒頭に戻ってしまう。ブルーレイってそういう仕様なの?と思ったらこのディスクがそういう仕様らしい。

2009年8月15日土曜日

破が繰り返し観られる理由。

ようやく「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見たけど……
すげーな!!!!想像以上に面白かった!
もっと早く見るんだった。

この面白さ、う~ん、言うなれば「バイキング料理」って感じかなぁ。

とにかくシェフの好きなものが集められていて、でもバランスがよくてあんな料理もこんな料理もと次から次へ皿に盛ってしまうような。
で、ふと気がつくと隣の部屋にもまだ料理がたくさんあるじゃん!!ていう。

食べまくってお腹いっぱいなんだけど、まだ全部食べた気がしない。
ゆえにリピーターを産むんじゃないかな。確かに「これもう一回観たい!」って観てる途中で思ったもんなぁ。

実は前作「序」を劇場で見たときは、なんだー焼き直しかぁとガッカリして「破」は見る気もなかったんだけど、今思うと「序」は食前酒に過ぎなかったんだなぁ。
「破」はテレビ版とも全然違う展開で、あれこの素材でこんな料理を?……てな驚きも大きい。
すると「Q」はスペシャルディナーってところなのか。
ただ、個人的には「エヴァンゲリオン」という作品は構造的にも中間部あたりが面白さのピークなのかも、と思っていたりする。というか、散々ガッカリさせられただけについ予防線を張りたくなるだけなんだけど。

ビジュアル的にも面白くて、70年代的な感じがあったり学校生活のディティールも細かかったり、でも今ではあまり真面目に描かないSF的な都市描写はしつこくやるし、この好きなモノだけ集めた感じは「お子様ランチ」的でさえある。でも幼児性は感じてもけっして幼稚ではないという不思議。

過去作品の引用も、引用のための引用ではなくて「これしかないから使わざるを得ない」という必死さすら感じられて気持ちよい。

てなわけで大絶賛。

しかし、このところ続編ものとか期待の新作がことごとく裏目に出るなぁ。

新納さんサイコー!→「セブンスドラゴン」……。
「トランスフォーマー」は傑作だった!→「リベンジ」……。
細田守サイコー!→「サマ-ウォーズ」……。

その反面、ふ~んと思ってた「ドラゴンクエスト9」「エヴァンゲリオン:破」がガッツリ面白い。

やっぱりブランドはあっても作品自体を吟味する必要はあるなとつくづく感じた夏。確かに「セブンスドラゴン」「リベンジ」「サマ-ウォーズ」、どれも前作のブランドがなかったら興味なかったもんなぁ。

2009年8月8日土曜日

ドラクエ9は底なし脱線ゲーム

正直、僕はドラゴンクエストに対して特別な思い入れは一切ない。
確かにリアルタイムで「1」が出たときのことは覚えているけど(なにせあの鳥山明の絵、っていうだけで当時はすごかった)もともとゲームをしない子供だったし、ドラクエ3の行列とかもよく知らなかった。

シリーズは仕事がらさすがにいくつかプレイはしてるけど、6(SFC版)→5(SFC版)→1&2(SFC版)→3(SFC版)→4(FC版)ときて7、8は未プレイ。
6だけかなり好きで2がまぁまぁ、それ以外はあんまり好きじゃない。とくに一番人気と思われる3はパーティメンバーが「空気」なのがイヤだったなぁ。

新作である9は自分と相性のよいDSで出るので、まぁボチボチやってみるかとそんなに期待せずにはじめた。
ドラゴンクエストIX 星空の守り人
B000LXD7HO

ルイーダの酒場ができパーティメンバーが増えるまでの序盤がタルくてなかなか進まなかったんだけど(ふつう、そこは初日に一気に駆け抜けるとこだと思うが;笑)、そこからが無性に楽しくなった!

いいところはいろいろあるんだけども、なんといっても「ちゅうだん」機能でどこででもやめられる点。

ルーラがノーコストな点。

プレイしたくないときは、ノーコストのルーラで酒場にもどって「すれちがい通信」を楽しめる点。
このすれちがいの遊びと酒場というか宿を組み合わせたのはすごいアイディア。脱帽。
それにしても電車に乗って新宿あたりに出るとすれちがい率がすごい。あと、会社が会社だけに職場でのすれちがい率もすさまじい。どんだけの人がドラクエ隠し持ってんだ、という。

シンボルエンカウント制な点。
ゲーム業界的には、もうランダムエンカウント(敵が見えずにうろうろしてたらバトルに入る)という文法はかなり通じなくなっているというのが実感。

ダンジョンがあっさりしてる点。
ドラクエのダンジョンって長さとギミックがしつこくてしんどかった。さすがにあっさりしすぎな気もするけど。

そして個人的に面白くプレイできている最大の理由が、メンバーを家族モチーフで作ってみたこと。
妻&娘2人と旅してるみたくて変に面白い。
さらに、娘をモチーフにしたキャラが「ゴスペルソング」なんて歌い出したから、実際に子供のゴスペル教室に通ってるから1人で爆笑してた。
妻をモチーフにした戦士キャラが最強なのは、ここだけの話だ。

あ、ガングロ妖精はぜんぜん気にならないなぁ。むしろ面白いじゃん。
ドラクエは一貫して主人公が勝手にしゃべらないのがとてもよい。

宝の地図も全然やってないし、いつまで遊べるんだろう、このゲーム!


2009年8月6日木曜日

レプリCar

前から、なんだかワーゲンバスに似てるけどドン臭いのが走ってるよなぁ、と思ってたらあれはスバルサンバーなんかをベースにカスタムパーツをつけたものだったのか。

というのはこのムックを買って読んだからで

Kバン・レプリCar (Motor Magazine Mook)
4862791476


でも一番驚いたのは「キューベルワーゲン」のレプリカがあること!



再放送系。

NHKオンデマンドにあるのでいつか見ようかと思っていたこの番組が再放送!
NHK教育 8月6日(木)午後8:00~8:45
YOU 誰でもミュージシャン パートII YMOの音楽講座(1983年6月11日放送回)

火曜放送の、DVD化もされている「若い広場 オフコースの世界(1982年3月21日放送回)」も面白くて、思わず
We are(紙ジャケット仕様)
オフコース
B0007IO0GA

を買ってしまった。
オフコースはベスト盤を聴いてたぐらいだったけど、歳をとっていいことがあるとしたらこうやってあまり先入観なく接することができることなのかも。たとえば「尾崎豊/十七歳の地図」とかが、あぁなるほどこれはいいアルバムだと思えたり。

さてさて、テレビでは以前放送された際にDVDに焼いたらエラーになりコピーワンスのため保存版にできなかったカーグラフィックTVのバブルカー特集がまたも放送。やったー!今度は
BS朝日 23:00-23:30
8/7(金) 「メモワール クラインバーゲンミーティング 前編」
8/14(金) 「メモワール クラインバーゲンミーティング 前編」
BS朝日なんて見られないよ!という東京近辺の方はしばらく待ってればTOKYO MXでも放送します。

あとはゴールデンウィークに見逃した
「BSアニメ主題歌大全集2009」
がBS2で8/10放送。


2009年8月2日日曜日

「サマーウォーズ」敗戦……。

以前から試してみたかった映画館のネット予約って、前売り券が使えないから1800円ぐらい取られるんだけども(よく考えたら変だよなぁ……)、映画の日だと1000円で予約できるので、これを機に初体験。

映画の日だから混んでる中をスイッとチケットを取れて、いやー楽ちん。
しかも予約した「サマーウォーズ」は今日は初日だったからオトク感倍増。なかなかいい席だったし。

しかし、肝心の中身が……。

��以下ネタバレ)

全体的には面白かった。けど、不完全燃焼。
最初に書いておくと、この映画、同じ細田守監督の
デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!/デジモンアドベンチャー【劇場版】 [DVD]
B00005HQDV

を見てるか見てないかで評価が変わると思う。
というのも、「サマーウォーズ」のあらすじを聞いてもしやと思っていたんだけど、やっぱりプロットはかなり「ぼくらのウォーゲーム!」。正直、焼き直しといってもいいぐらい。
焼き直しがだめなんじゃなくて、どうしても展開が分かってしまって……。クライマックスの感動も薄い。
ほか、具体的に気になった点メモ。
「つながり」をテーマにしてるみたいなのに、人間関係の描写の薄っぺらさが気になった。
たとえば、終始ヒロインの感情がよく分からなかったり(あのヒロインは好きになれない……)、カズマくんはなんで最初表に出てこなかったのかとか、ばあさんがあそこまで慕われているのも分からないし、主人公が田舎の大家族に感動するのも彼自身の普段の生活描写がないからすごく唐突。ヒロインへの思いも憧れ以上のものでもないようだし。
また、物語の面白さを補強するはずの設定面もよく分からなくて、主人公は数学オリンピックに出られなかったのに暗号解読の天才だったり(だったらもっとすごいやついるだろ、という)、他にも解読できた人がいっぱいいたのに彼だけが顔出しで犯人扱いされたり、そもそもそんなレベルの暗号だとセキュリティ的に問題だろうし、ヒロインがコイコイに強い描写がない(おじさんに負けてた)のにラストで圧勝したり、とか。
なんか脚本に隙が多い気がする。
演出面でいうと、やたらとマンガ描写が多いのが気になった。細田演出、といえばそうなのかもだけど、スタイルこそ目立つものの、彼のテイストはむしろ薄まっていたような……。
あと、エンディングの山下達郎の主題歌もう~ん……。達郎がレギュラーラジオで「歌と映像のマッチングは自分の歌の中では最高かも」と言ってたのでちょい期待したけど、映像は名場面カット集……。
とはいえ、あの仮想世界の映像感覚とかはやっぱり好きだった。
けども、デジモンの敵の方がデザイン的にも面白かったなぁ。
結論としては、前作「時をかける少女」はこの先10年は残る映画だと思うだけど、「サマーウォーズ」は数年経ったら語られることがない映画のように思う。
��
さてこうなったら、前売券買ったけど時間がなくてまだ見てない「破」を観に行かなくちゃ!