2007年2月15日木曜日

「私の好きな日本映画」

CSの日本映画専門チャンネルには「私の好きな日本映画」という番組があって(今はタイトルが「メモリーズ」に変わった)、著名人が自分の思い入れのある映画を紹介するんだけど、もし自分が出たら何を紹介するだろうか、などと著名人でもないし今後著名人になることもないだろうけど、ついつい妄想してしまう。ドラえもんの「主役はめこみ機」を使った、と仮定してでもいい。

もちろん、自分が面白いと思うものをあげればいいんだろうけど、多くの人が面白いと認めるようなものを紹介してもしょうがない。マイナー指向とかいうのではなくて、みんながあまり注目してない作品にスポットをあてたり違うライトをあてることでこんな見方があったのか!と思わせられるのが、この番組の面白いところだと思うからだ。
というか、「マイナーだから、好きな人が少ないから、好き」ってのは「メジャーだから、みんなが好きだから、好き」ってのと一緒だと思ってるし。

��

で、いろいろ考えたすえに、未DVD化ということもあってこれを紹介することに決めた(←何様?;笑)。

naminokazu_vhs_jacket.jpg
「波の数だけ抱きしめて(1992)」


僕は、先日公開された劇場映画「バブルへGO!!」の予告なんかをみてても「ホイチョイ?ケッ!」と思うタイプで、いまだに「きまぐれコンセプト」が連載されていると聞くとどちらかというと失笑してしまうクチであるが、この映画だけはテレビで初めて見たときから好きだった。「私をスキーに連れてって」「彼女が水着にきがえたら」に続くホイチョイ映画第三弾だけど、先の2作は見たけど記憶がないか、もしくは見てない。

この映画が先の2作と一番違うのは、主人公たちが文化系であることではないか。
湘南を舞台にしていながら、男女各2名計4人からなる主人公たちはサーフィンなどアウトドアな遊びをしない。
では何をしているかというと、なんと湘南にミニFM局を作っているのだ!その中の1人は無線マニアという設定だったりするし。

ちなみにこんなこともあったそうだ。

舞台は1982年の神奈川県・湘南にあるミニFMが舞台になっている。この映画に刺激されて、ニュースキャスターの木村太郎が神奈川県葉山町にコミュニティFM「Shonan Beach FM」を開局させたのは有名な話である。(「波の数だけ抱きしめて-wikipedia」)


何度も書いているけど、とにかくメディアを立ち上げる話にめちゃくちゃ弱いので、最初見たときになんでこの映画が好きなのか全然分からなかったけど、何度か見るうちに確実にその要素のせいだと気づいた。

中継地点が延びていくシークエンス、そのこと自体がドラマの中心になっていき、はたまた恋愛部分の大きなネタともなっていて、この部分はFMラジオの特性をうまく使って感心させられる。

また、そのミニFM局(「kiwi」)のジングルを作ったり、TOWER RECORDで買った「TOTO IV」のアナログレコード(映画が作られたのは1991年だけど、映画内の主な舞台は1982年)の封を切って匂いを嗅ぐシーンや、BGMとしてFMで放送しているのとダブらせてAORを多用していたり、と音楽が好きな人が見ても、おっと思うシーンも多い。

とはいえ、ホイチョイの前2作からの流れで採用されたと思うユーミンの挿入歌4曲は、重要なパートで使われているからこそ、今観るとかなりぶちこわしだったりして残念。
曲がどうのという前に、AORの音質とユーミンの音質がバラバラで統一感がないんだと思う。

あ、そうそう、役者では松下由樹がすごい。相原勇か!?とつっこみたくなるようなショートカット色黒元気系恋愛掻き回し系。ま、昔はこの人はこんな感じだったからイメチェンに成功したといえるんだけど。

ミポリンはイメチェン前というか、アイドル期とカリスマ期の過渡期ぐらい。正直、ヒロインが自分の好きな女優だったりしたらもっと恋愛部分も面白がれたかもしれない、というぐらい、僕にとってはこの映画の表向きの主題である中山美穂と織田裕二の恋愛話はどうでもよい。
あ、織田裕二はそのまんまです。

ところで先に書いたけどこの映画、なぜか他のホイチョイ作品ともどもDVD化されていない。まぁ、確かにたいした映画ではないかもしれないけど、「バブルへGO!!」がDVD化される際にでもまとめてされないかなぁ。
その時はぜひオーディオコメンタリーで監督のコメントつきで見たい。というのも、この馬場康夫監督が「エレキの若大将」のDVDのオーディオコメンタリーでしゃべってたんだけどそれがとても面白かったから。
ぜひお願いします。

��

余談ではあるけど、この映画では1982年、「バブルへGO!!」で1990年と近過去を描くということ自体は面白いと思うんだけど、ぜひ先に書いた1997年のあの雰囲気を、映画とか小説で読んでみたい。もっともホイチョイが映画化するのだけはありえないと思うが、時代の雰囲気的に。


0 件のコメント:

コメントを投稿