2005年7月11日月曜日

本バトン

僕の映画、ってかエンタティンメントの先生であるす一さんから本バトンをいただきました。光栄!


このサイトを読んでる人には意外かもしれないけど、僕は子供の頃本当に本が嫌いで、というか絵のない本がダメで、マンガ以外全然読まなかった。環境的に親父が国文学者(といっても風貌は単なる田舎のオヤジなんすけど)で家にわんさか本があったんだけど、この親父が絵本をよく読んでくれたためか本を自力で読む、って習慣が全然できないままだった。夏休みの読書感想文も、作文は別にイヤじゃなかったけど本を読むのが苦痛でしょうがなかった。
大体、小学生向けの本の装丁やイラストのイケてなさが子供心にダメで、だから僕がちゃんと本を読むようになったのはハヤカワ文庫の加藤直之なんかのイラストがイカしてたというのがきっかけだった。
中学生の頃はそれなりに読むようにはなったけど、SFものが多かった。今の子供たちがジュニアノベルズ(っていうの?)を読む感覚。本だけはいくらでも買ってもらえた、というのも大きい。
高校生の頃はちょっとずつ文学系を読むようになったけど、それでもあんまり面白いと思って読んでなかった。
大学生の頃は日本文学専攻だったけど、あまり印象に残る読書はないなぁ……。この頃だって決して本は好きじゃなかった。
こんな僕が、本って面白いなーと積極的に読むようになったのは、大学を卒業してそれまでの小説中心の読書からノンフィクションやエッセイ中心の読書に移行してからなのだ。つまり僕は読書体質的にフィクションではなくてノンフィクション体質なんだなぁ、と強く思う。だから僕がwebで取り上げる本も圧倒的にノンフィクションが多い。
さて、解答編。
●部屋にある本棚の数
この質問、なんで「自宅」ではなくて「部屋」なんだろ?「部屋」の定義がよく分からないけど、自宅にあるのは3つ。しかし、これ以上本棚が増えないように気をつけていて、以前はこれはもう読まないだろうなと思ったら実家に送っていたけど(実家には本棚しかない書庫というか倉庫がある、けど普通の部屋も本だらけ;泣)、それもなぁと思いはじめてからかさばる本はなるべく図書館で借り、買うのは文庫だけにするようになった。ハードカバーの本で気に入っていたものが文庫になると、文庫で買い直してハードカバーの方は処分する。字だけの本ってコンパクトな方が絶対いい。
●最初に買った(読んだ)本
最初に買った・読んだ、なんて全然覚えてないけど、本を読まない子供の頃に自分の意志で図書館で借りて読んだ本が「世界の伝記 ディズニー」(正確な書名じゃないと思う)。この頃から「クリエイターの評伝」が好きだったんだなぁ(笑)。
●最後に買った本
うーん、雑誌やマンガをのぞくと、こないだ図書館のリサイクルで買った子供向けのこれ。
「きむらけん/出発進行!ぼくらのレィルウェイ」汐文社
タイトルはもちろん作者も出版社も知らないんだけど、タイトルが目に入って手に取ってみると、廃線になったSLを子供たちが復活させるというおはなしだそうで、そういうメディアやサービスを作り出す話に弱いので購入。半分ぐらい読んだけど、面白いよ。あ、お薦めの本とかでは全然ないです。
●よく読む、または特別な思い入れのある5冊の本
これは非常に難しいし、そもそもそういう本は本家サイトの本の味の素というコンテンツでまとめてるので、今回は自分の職業であるゲーム企画をする上で役立った、または今もおりにふれ読み返したりする本を紹介します。
まんが日本昔ばなし
テレビマガジンの別冊扱いの全3巻。実家にあるんで手元にないけど、各20話ぐらい載ってたと思う。僕が仕事で稚拙ながらもなんとかお話を組み立てられるのは子供の頃何度もこの本を読んだせいだと思う(本というよりテレビ絵本みたいな感じだけど)。笑える話、哀しい話、いろんなストーリーが載っていて、ほとんどの物語の根本的な部分ってこの本に載ってるパターンだよなぁと思う。童話ではなく、昔話ってのがポイント。
「分かりやすい表現」の技術—意図を正しく伝えるための16のルール
「藤沢晃治/「分かりやすい表現」の技術」(講談社ブルーバックス)

とにかくゲームというのは、面白いことを思いついてもそれをうまく・気持ちよく説明できないと面白くならないわけで、そこで陥りがちな罠と対処方法のヒントを与えてくれる。別にゲームだけじゃなくて、「なんで人は僕の説明をちゃんと聞いてくれないんだろ?」と思ってる人は読むといいです。
また、「新垣紀子・野島久雄/方向オンチの科学」(講談社ブルーバックス)も実はテーマが同じ。
「富野由悠季/映像の原則」(キネマ旬報社・キネ旬ムック)
ゲームが3Dになり映画的なカメラ演出も仕事の1つになってきた時に、どうしても自分が作るものがぎこちない感じがしていて悩んでいた。そんな時にこれを読んで、映像を作る上で何を考えなくてはいけないかを徹底的に教えてもらった。映像といっても僕ら人間は自分の身体の延長線上にない絵や絵のつながりは違和感を覚えるし、逆にそれを前提としつつ、実際の絵を越える「心に写っている絵」に近いように映像を作りあげることが効果的というのを身をもって感じた。
なおゲームのデモシーンにおいて、フルボイスの・いわゆる「ボタン待ち」がないデモシーンは映画的映像表現だと思うんだけど、「ボタン待ち」のあるデモシーンは映画以上に静的な写真(絵)としての映像表現を意識する必要がある、と最近思った。その場合、決して映画的なセオリーだけではいい映像は作れないみたい。
演劇入門
「平田オリザ/演劇入門」(講談社現代新書)

キャラクターに対話をさせる時にどうしたら自然に話させることができるか、と教えてもらった。
続編的な「演技と演出」(講談社現代新書)もお薦め。
CODE—インターネットの合法・違法・プライバシー
「ローレンス・レッシグ著 山形浩生・柏木亮二訳/CODE」(翔泳社)

今はずっとネットワークゲームの開発に携わっているけど、そういう場合はこの本は必読だと思う。ネットだけではなくて、電子的な分野ではルール・法的なものとシステム的に意図してかける制限というのは不可分なもので、それをどうバランスよく実装していくかを考える上でとてもヒントになる。
ブ厚いけど山形浩生氏の訳が面白いからわりとすらすら読めます。
でも一番よく読み返すのは 「深沢千尋/すぐわかるPerl」(技術評論社)
だったりする(笑)。この本、ノンプログラマでperl書くなら必読。読んでて面白い技術書ってなかなかない。
●バトンをまわす人
盟友 niji wo mita
スギモトさん←イヤだったら次に回さなくていいですよ!
以上です。

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