2006年11月8日水曜日

「武井武雄/本とその周辺」

安野モヨコって小島功(黄桜のカッパ、ヒゲとボインetc.)の姪なんだって!

��

本とその周辺
武井 武雄
4122002648


中公文庫の限定復刻だけあって、確かに名著。
でも全く予備知識なくて、復刊された本ってこととこのタイトルだけで書店にてこれをつかんだ自分の選択眼もなかなかのもんだと思った(笑)。

著者は児童文学・絵本の作家なんだけど、自分で「豆本~刊本」という凝りに凝った本を自費出版、「親類」と呼んでいるファンがそれを大切に(もちろんお金を払って)譲ってもらう、という流れで何十冊も作っている。
その行為の意味は「私刊本・限定本」で書かれている。

「そうてい」にはどの言葉がふさわしいか(「装幀・装釘・装本・造本・製本」))とか、蔵書印はまぁ許すけど蔵書票は許せない(「蔵書票」)とか、言葉や本が持つ本質的な美しさへのこだわりがすごい。
でも決して怒ってるわけじゃなくて「どうでしょ?」てな柔らかさを感じられて読んでいて不快さを一切感じさせないのが、なおすごい。本にナンバーを振る時の振り方でこんなに悩むのか!

本著では主に本のハード面に関してだけ書かれているのかと思いきや、後半の「絵本」という章では「現実と空想」「説明と表現」というテーマで、本の内容に関してもきっちりと考えが書かれていて、自分が仕事で考えていることをズバリ言われて、恐れ入りました。

その他、自分がつきあった職人、本好きな人の変わった&感心させられるエピソードを紹介しているのも楽しい。

唯一、自分が制作した本に関して細かく書かれた「本の表現様式」だけはとばし読みしたけど、これは実物、せめて写真と一緒に読みたい。

久々に一生自分が持ってるだろうことを確信した面白本。

0 件のコメント:

コメントを投稿