2011年2月20日日曜日

抽象

昔のことだけど、辞書に例文とか凡例があることに非常に違和感があった。

辞書というものは絶対的な定義が書いてあるべきで、具体的な使用法を書いてあるのはなんだか邪魔な感じがしたし、あまり読むこともなかったように思う。
つまり、言葉が元素のようにあって、それを組み合わせて文章が成り立っているイメージで捉えていた。
今より知らない言葉が多くて、言葉の意味を知りたくて辞書をひくことが多かったせいかもしれない。

歳を重ねるにつれて、「なんとなく分かってるんだけどもより正確に言葉の意味を知りたい時」に辞書を調べるようになっていく。
そうすると、辞書というのは、文章の中で使われる言葉たちを他の文章でも使いやすいようにそれぞれ「抽象的に」表すならばこう、という内容が書かれているように感じるようになった。

というか、実際にそうなんだろう。
昔、親が「辞書は例文が命」と言ってたのを、今になって理解するのである。

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ところで「抽象的」というのは、決して「あいまい」という意味ではない。

辞書で「抽象的」を調べると

��.物事を抽象してとらえるさま
��.具体的でなく、一般的なさま。とらえどころがなく、はっきりしないさま。

とあって、若い頃は2の意味ばかりで考えていた。「抽象絵画」とかのイメージなのかな。

「抽象」を調べると

『個々の事物の多くの性質から共通の属性を抜き出し、一般的な概念をつくりあげること』

とある。

「抽象」は英語で「abstract」だけど、語源的には「abs-tract」で分かれ、abs-=ab-(from […から])(…から離れて) tract((引っ張る)であって、、「具体的な絵から細部を抜き取って抽象化する」というイメージがあるそうです。」とのこと(http://www.alc.co.jp/eng/vocab/etm-cl/etm_cl055.html)。

つまり、「抽象」とはあいまいどころか、概念をはっきりさせることなのである。

つまり辞書とは
『多くの文章から共通の言葉の属性を抜き出し、言葉の一般的な概念を定義したもの』
となるのだろう。

この話、続きます。

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