2011年2月6日日曜日

ガンプラとミリタリー

さて、ではなんでそのミリタリー模型ブームが去ってしまったかを考えてみたんだけども、もちろん「飽きた」ってはあるだろうけど、やはりガンプラブームがすごかったのも大きいと思う。

でも「ガンプラ」って「このキットに〇〇(パイロット)はついていません」というただし書きが有名であるぐらい、実際の人形との絡みは少ない。というかスケール的に難しい。
作劇的に人と絡ませたかったからロボットを小さくしたというボトムズぐらいのサイズにならないと無理だろう。

では、なんでウケたかというと、そもそもガンダムというかモビルスーツ自体が人形なのだ。これは僕が以前からずっと思っていてそれゆえロボット熱が覚めちゃったんだけども、モビルスーツってフィギュアであると思う。
もちろんメカであり乗り物であるんだけども、そのコアの部分に「人形遊び」を抱えている。

だから、そこに実際の兵隊の人形がなくてもロボットを動かすことでドラマを再現できるし、入り込みやすいんだと思う。イマジネーションが広がりやすいというか。

そのためにガンプラで関節が可動する、というのはとても重要な要素であることが分かる。

そして、ミリタリーブームから現在のガンプラブームの間には、リアルタイプシリーズ、MSVシリーズ、ダグラムといったミリタリー色の強いロボットが橋渡し的な役割を果たしてもいたんじゃないかと思う。

ちなみに僕はミリタリー趣味を否定はしないけど、「それって人殺しの道具だよね」というツッコミに対して、答えが出なくてもいいんでキチンと考えていてほしいなぁと思う。「だってかっこいいと思うからしょうがないじゃん」「これはおもちゃであって本物じゃないから」とかそういうことを聞きたいんじゃなくて。
デザイナーの永野護が模型誌でそのことを書いていてえらく感心した覚えがある。

その点、モリナガ氏は真剣にそのことを考えて考察していて、それが自分を掘り下げることになってこの本はとても面白い。
ゆえにこの後に出た「ワールドタンクミュージアム図鑑」はちょっとオチャラケた戦記物みたいで、個人的にはあまり面白くなかった、余談ですが。

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