2006年4月3日月曜日

My First Decade

4月1日ってんで、エイプリル・フールに絡んだことばっかり考えてたんだけど、そういえばこの日って入学とか入社とかの日だ。
で、ふと、あ、今日で僕がゲーム業界に就職して(転職してないから入社して)ちょうど10年目であることに気づいた。

10年……。
正直、もう10年ぐらいやってるつもりだったから、あぁ、もうそんなになるか、という感じだったけど、10年前新卒として入社した時の自分を思い出すとなんと使えないやつだったんだろうと、しみじみ思う。

珍しくちょっと真面目なことを書くけども……。
10年経った今、その時の自分に教えてやりたいことが山ほどある。けれども、同時にきっと言っても分からないだろうなとも思う。教えられないからこその10年、それが経験なんだと思う。
もちろん、スキル的にもいろんなことができるようにはなったけど、自分の中でたとえば失敗した時に学ぶリスク回避の心得や逆に成功した時に得たカンのようなもの・コツのようなもの……、こういったものが自分の中で一番の糧であり武器なんである。教えてといっても教えてもらえないし、他人に教えることもできない。自分で気づくしかないのだ。
だから僕はある時から、会社での評価をあげることはほとんど意識しなくなり、自分がたとえば一年前の自分にダメ出しできるぐらい成長しているかどうかをとても意識するようになった。
また何かのアプリケーションの操作方法を一所懸命覚えるのではなく(それも大事だけど)、何をしたいのかを一所懸命考え、その際に自分がマスターしなくてはならないことだけを覚えるようにした。
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あまり好きではなかった高校三年生の担任が、こんなことを言っていた。
「君たちが今後仕事に就いた時に、どんなにつまらなくても10年は続けてみないと分からない」
その言葉は、イヤなことはすぐにやめてしまう自分にとって意外と強く残っていたようで、仕事がいやになったりウンザリした時にもこの言葉を思い出して、「そうかもしれないなぁ」と思うこともしばしばだった。
とくに僕はゲームマニアでもなかったし理系的な勉強をしたわけでもなく、ただ「なんか面白そうな・自分がなにかできそうな職業」というカンだけでゲーム業界に入ったので、何年もの間、本当にこの仕事が自分にあっていて生涯続けていけるのか自信が持てなかった。
だから、10年目が近づくに連れて、「10年目になったらFA権取得」と思うようになった。つまり、もし10年目に仕事が自分にあっていないと思ったら(会社ではなく)仕事を変えよう、と。
実はこれはけっこう本気で考えていたことだった。というのも、転職してうまくいくのもせいぜい30代前半。ゆえに、もし今の職業があわなくてどうしても面白く思えなかったら、やめるならその時が限界なのだ。
幸い、僕は10年目に近づくに連れてどんどん仕事が面白くなってきて、今ではそんなことを考えていたことすら忘れていた。
ただ、職業があわないのかと悩んだことはあったけど、同じ業種の別の会社に行こうと思ったことは一度もなかった。それはあの10年前の使えない自分を採用してくれた会社に対する感謝の気持ちであり、こうして面白く仕事ができているからだと思う。
だから、もしこれを読んでいる新卒の人がいたら、ひとつ「10年」を意識して仕事をやってみることをお薦めします。

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