2008年6月22日日曜日

しゃべらない話。

いままでよく話題になってるのでタイトルだけは知っていた「人志松本のすべらない話」という番組を、このたび初めて見た。

テレビはあんまり見ない、とかいいながらレギュラーで見てるだけでも
「熱中時間~忙中“趣味”あり~」(NHK)
「アメトーーク!」(テレビ朝日)
「タモリ倶楽部」(テレビ朝日)
「親分&張さんの喝!(サンデーモーニング)」(TBS)
「所さんの世田谷ベース」(隔週/BSフジ)
にだいたい隔週でF1GPが入ってきて、特集によっては見るイレギュラーな番組がいくつか。

6月はNHKの「趣味悠々」の「お気に入りをとじる~やさしい製本入門」「ひと味違うダッチオーブン入門」、「知るを楽しむ 人生の歩き方」の「水木しげる」が加わって、かなりの量を見ていることになる。

とはいえ、高校生から大学生の頃、そして子供が生まれる数年前ぐらいまでは本当にほとんどテレビを見てなかったため、その時代に人気があった芸能人に対する思い入れがあまりない。

たとえばダウンタウンがそれで、面白いのは分かるけどなんであんなにカリスマ化されてるのかあんまりピンときてなかったりする。

だもんで、先の「人志松本のすべらない話」も、へーそんなのあるのねーぐらいにしか思ってなくて、今回たままた見た感じだったんだけど、もちろん面白いことは面白かった。Podcastを聞いていても芸人の「話を面白くしたり場の空気をホットにする能力」ってホントにすごいなぁと思うが、この番組でも同じことを感じた。

だけど、あの番組の構造が話を面白く聞かせてる部分が多分にあるよなぁ、とちょい唸ったのも事実。

「すべらない話」の特徴として
・トーク内容は実話であること
・誰に話がふられるかはランダム
・とにかく場の空気をしらけさせないで(すべらないで)次につなげるのが命題
という点があると思う。

まず「実話であること」というのはかなり得であるのは、わざわざ書かなくても分かるだろう。

そして他の点からは、出演する芸人の中に
「次は自分かもしれない」→「他の人の話がそんなに面白い話じゃなくても、とにかく面白がってホットな空気を維持しよう」
という流れがごく自然に生まれる。

それによって視聴者は
「あの面白い話をした人が、笑っている話」→「面白い(ように感じる、少なくとも30%増しぐらいには感じてる)」
という、いわばホラー映画の中で怖がっている人がいるからこちらも怖くなる、最近の映画CMにてスクリーンに涙する人を写しているから感動する映画だと認識(錯覚)する、のと同じ心理状態になるのだ。

これがたとえば順番が決められていて1つずつ話をする、だとあそこまで他の芸人が熱心に話を聞かないし、それほどウケないと思うのだ。
つまり、「すべらない話」は最強の笑い屋をそろえているというわけ。

だから正直言うと、僕にとってはたとえば「アメトーーク!」の方が心から爆笑できて、「すべらない話」はクスッと笑うぐらいだったんだけど、「すべらない話」は先の構造があるから、見終わって「面白いものを見たなぁ」という気分には十分させてくれた。

僕はあんまり好きじゃなかったけど、同じ松本人志の「笑ってはいけない~」シリーズというのも、笑ってはいけない状況ではつまらないこともめちゃくちゃ笑えてしまう、というシチュエーション設定を活かしているのが巧みだなぁと思う。

勘違いしないでほしいのは、決してそれが悪いといってるわけじゃない。
「面白い」ということの基準は決して絶対値だけじゃ決まらない、というのはゲーム制作という仕事をしていても常日頃感じることなんで、むしろこの構造はなにかに使えないかなぁ、などと思ってしまうぐらいであった。

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ところで僕が見ている番組に共通するのは「楽しいことをやっているのを見せる」という点だと思う。本にしてもそれがとにかくツボだなぁ。

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