2006年12月6日水曜日

意外と「立つな、ジョー!」というセリフが多い

su1さんがblogでちらりと書いていたのをきっかけとして、唐突に「あしたのジョー」にはまってしまった。

僕は格闘技ではボクシングと相撲が好きなんだけど、その点では題材として申し分ない。
とはいえ、実は原作は読んだことないしテレビシリーズも見たことなくて、10年ぐらい前に劇場版2作品を見て「おもしれぇなぁ!」と思ったぐらいだったんだけど、今回はきちんと原作を読んでみた。

……やっぱり面白いなぁ!!

なんだか最近のマンガを読んでてもあまり思うことがない、「マンガとしてのうまさ」をすごい感じた。
構図のうまさとか、妙に多いモブシーンのうまさとか。ちばてつや、やっぱりすごい(←遅い)。

文庫本で読んだんだけど、その7巻での、小池一夫の解説(p395)や

「私は特に構成構図において、ちばてつやは最高の漫画家だと思っている。切り返しを使わず常に読者の眼でコマを左に流していく。コマの中に全身を入れてもなお、表情を豊かに見せ空間まで出してしまう。この構成力の妙、画力の冴えにはいつも舌を巻く。」


12巻でのさいとう・たかをの解説(p379)は

「ちば漫画の魅力。それを一言で表現するのは困難だが、あえて言うなら<<ちば節>>とも言うべき、あの独特の間合い、ということになろうか」


どちらもなるほど、だ。
その演出テンポの個性において、ちばてつやは「天才」なのだ。

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マンガを読んだ後にやっぱりアニメ版と比べてみたくなって、レンタルにあった「劇場版1」のDVDを見た。
さすがに1970年とかの作品なので絵は荒い。
だけど、力石との勝負が決まるシークエンスは漫画だと思ったよりあっさりしていたのに驚いたのに対して、アニメ版のジョーが放ったパンチが空を切り2人の汗がニョーと延びる……という「懐かしのアニメ」系番組があったらほぼ選ばれると言っていい一連の描写は素晴らしかった。思わず何回か見直してしまった。

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偶然なんだけどMXテレビにて「あしたのジョー2」のテレビシリーズが放送中なので、こちらも見ている。1と比べて断然絵がキレイでよい。
見ているとどうしても「キャッツアイ」を思い出すのでなんでだろと思ったら、キャラクターデザインがどちらも杉野昭夫。制作が同じ東京ムービー新社(現トムス・エンタテインメント)で、音楽も同じ人じゃないかな(というか、「新ルパン三世」含めて社内でBGM使いまわしてるような?)。

だけど、オープニングは曲はいいのに映像がめちゃくちゃかっこわるくてガッカリ。現在、力石戦のトラウマで苦しむあたりで、例の「光るゲロ」を初めて見た。

これを見ていて、そういや子供の頃(1973年生まれ)、主に自分たちのお兄さん世代で「あしたのジョー」が流行ったことがあったなぁと思いだした。
テレビシリーズ「あしたのジョー2」は、1970年に放送された最初のテレビシリーズの再編集劇場版を1980年に公開し、その後を受ける形で始まったそうな。ゆえに原作に追いついて終了した最初のテレビシリーズはカーロス・リベラ戦で終わっていたのだけど、劇場版では力石戦を最後に持ってきて、「2」はその後からリメイクする形になっているそう。
そのテレビシリーズが終わる頃に、劇場版として「あしたのジョー2」が公開されたんだろう。

ちなみにこの1980年前後における東京ムービー新社はリメイクに熱心だったようで、「あしたのジョー2」の前番組は「ルパン三世 (TV第2シリーズ)」、後継番組は「新ど根性ガエル」、その他にも「鉄腕アトム」「太陽の使者 鉄人28号」「新巨人の星」などなど、今となってはなるほど、という感じのラインナップだ(ほとんどリアルタイムで目にしていた)。

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