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日本プロレス帝国崩壊 ― 世界一だった日本が米国に負けた真相
タダシ☆タナカ

僕は現在プロレスにも総合格闘技にも全然興味ないけど(相撲とボクシングはちょっとだけ好き)、ときどきこの手の本を読むのは、ずっと「プロレスファンはどう楽しんでいるのか?」という部分に興味があるから。
だってさすがにプロレスがガチだとは思えないわけで。ガチだと思える人しか楽しめないというなら、そうですかというしかないけど、そうじゃないと知りつつ楽しめる人は相当目利きだと思うわけです。
で、僕のそういう定義からするとこの著者は目利きではあると思う。
だけど、「アメリカプロレスは素晴らしい、日本の新日本を中心とした?プロレスファンとプロレスマスコミはクソだ」みたいな著者の論調は、さすがに完全部外者の僕もひいた。しかも何度もしつこく書いてるし。
もちろん、自分の考えを主張したいから熱くなってるのは分かるけど、これじゃあ逆効果なんでは。よっぽど日本のプロレスマスコミに恨みがあるとしか思えなくて、もうちょい冷静になった方がいいのでは?という気もした。
あと、そちらばかり熱くて、肝心のプロレスの楽しみ方はあまり分からなかったのも残念な一冊。
悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷
森 達也

森達也が書いたプロレスの新書だなんて、面白くないわけがない。
米国~日本で活躍したヒール・グレート東郷を通して、プロレスが持つナショナリズムの複雑さを核にルポは進む。
この本でもキーとなっている「当時の日本の英雄・力道山が実は韓国籍だった」というのは有名な話だけど、芸能が持つアンダーグラウンドな面と当事者の複雑な思いは、確かに作者の言うとおり、そんなに単純ものではないんだろうなぁ。ただ、それを眺めてる人はどうしても単純に考えてしまう。
著者はいつも通り、何度もそのことに対して警告を放っている。
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