2005年10月17日月曜日

イームズ夫妻とファインマンさん

自宅から歩いていける目黒区美術館で、イームズの展覧会をやっていたので行ってきた。

目黒区美術館チャールズ&レイ・イームズ〜創造の遺産〜 2005/10/8〜12/11


この展覧会、アメリカやヨーロッパをまわってようやく日本に来たんだけど、偶然うちの奥様がワシントンへ行った時にやっていて、その時に話だけは聞いていた。
僕がイームズファンになった、2001年夏に東京都美術館での「イームズ・デザイン展」は日本独自の企画展だったけど、今回はよりオフィシャルに近いものらしい。「イームズ・デザイン展」の感想にも書いたけど、僕は彼のイスとか家具にはさほど興味がなくて、彼の作る教育映画のファンなのである。
その映像作品に関しては「イームズ・デザイン展」の方が展示数が多かった気がするし、たとえば映像作品に一切日本語字幕がなかったり、と「そのまま持ってきた」感がかなりあって、やや不満。
11/23と27にイームズフィルム セレクション1《アメリカのミッド・センチュリー》・イームズフィルム セレクション2《芸術と科学》という上映会があるので、そちらに期待。
家具などの展示点数もそれほど多くないけど、面白かったのは、イームズ夫妻の所蔵品。
といってもいわゆるガラクタなんかが引き出しに入っていて、それを引き出して見るんだけど、他人の机の引き出しなんかを見るのって今はもうなかなかできないけどとても楽しいことで、ましてやイームズ夫妻の引き出しを覗き見できるなんて!
世界中のコマをあつめた映像作品「Tops」やおもちゃを集めて作った「おもちゃの汽車のトッカータ」「パレード」なんかを見ると、この人たちはホントにこういった「小さきもの」をたくさん集めた人なんだろうなぁとは思っていたけど、やっぱりその通りで、ちまちましたものが引き出しの中にギッチリと詰まっていた。すごいシンパシーを感じる。
あと35万点あるというスライド写真の一部も展示。これも形なきものをコレクトしてたんだろうなぁ。
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さて、先日までこれらの本を読んでたんだけど、
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉
リチャード P. ファインマン Richard P. Feynman 大貫 昌子
4006030061
困ります、ファインマンさん
R.P. ファインマン Richard P. Feynman 大貫 昌子
4006030290
バリバリ文系だった僕にもファインマンさんのこれらのシリーズは面白かった。理系の人にみられる「正しいことしか言わず、正しいことを行おう」とする態度の潔さとそれをイヤミに感じさせないユーモア。
イームズ夫妻とファインマンさんの好奇心には共通点があると思う。
イームズはチャールズが1907年生まれ・レイが1912年生まれ、ファインマン氏は1918年生まれ、と同時代にアメリカを生きた人たち、ということで環境的にも似たようなところがあったんだろうか。
またファインマンさんが
科学的知識というものは、非常に疑問のあるものから、ほとんど確実なものまで、さまざまな度合いの確実性をもった理論の集まりですが、絶対的な確実性をもつものはいっさい存在しません。

といっているのが印象的だった(科学の価値とは何か「困ります、ファインマンさん」)。
それ以外でも宗教的なダマシを暴こうとしたり、芸術に感動したり、なぁなぁになっている組織にて断固として自分の態度を崩さなかったり、とそのキャラクターが本当に面白い。

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