2010年8月4日水曜日

ポメラを待ちわびたこの10年のこと。

自分はパソコン歴20年近くになるのに、ずっとメインマシンはデスクトップで、いまひとつノートと相性がよろしくない。

仕事がほぼデスクワークで、遊びに出るときも荷物は最低限、という人間なのでモバイルに対する欲求が弱いからかも。

そんな僕だが、10年ほど前になるが、モバイルギアⅡユーザーだった時期がある。
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この手のWindowsCEを搭載したマシンをハンドヘルドPCと呼んでいたけど、OSをROMに積んでいるため起動時間がほぼゼロという点が魅力的だったのだ。

2001年にwebでハンドヘルドPCについて書いたんだけど、当時僕は求めていた条件を以下のようにまとめている。

  • ポンと押せば起動し、すぐ電源を切れる(パーフェクトなレジューム機能)
  • ある程度打ちやすいキーボード
  • マックとテキストデータのやりとりができる
  • 通信などはできなくてもいい・極端な話エディタ以外のアプリはいらない

これ、まさにポメラのことでしょ!分かっていただけたでしょうか、僕がポメラををいかに切望していたのを。

10年前にモバイルギアの存在を知ったきっかけは、その頃発売された「シグマリオン2」に興味を持ったことだった。
sigmarion.jpg
ただ、実際に触ってみるとキーボードが小さすぎてダメだった。ヒューレットパッカードの「Jornada720」なんかも同様の理由でダメ。
jornada720.jpg
いろいろ調べた結果、当時すでに絶滅寸前だったシグマリオンの先祖・モバイルギアⅡのことを知り、展示品を3万ぐらいで買ったのだった。新品だと10万したんですぞ!!

しばらく喜んで使っていたんだけど、持ち運ぶには大きすぎたこと、中古だったこともありバッテリーがへたってしまったことなどからだんだんと使わなくなった。

そのうちXPを搭載したPCに買い換えてから、サスペンド機能が使いやすくなって、この手のガジェットには興味を失っていった。

ハンドヘルドPCもネットワーク機能を重視するようになるとi-modeをはじめとする携帯電話の進化に勝てなかったり、ダウンサイジングしたことでテキスト入力マシンとしても中途半端になり、その存在意義を失っていき、ここ数年はほぼ壊滅状態だった。
僕ももうそういう製品を求めるのはやめていて、初号機DM10が出たときもほとんど興味がなかった。

でもやっぱり、モバイルギアなどに、通信端末ではなくテキスト入力機能を求めていた層というのは確実に存在して、KING JIMはその金脈を掘り出した。

開発秘話を読むと、KINGJIM内でもかなり疑問視されていたらしいけど、社外取締役である慶應義塾大学の印南一路教授だけが「出たら絶対買う」といったことで現実化したという。(「文字入力しかできないの?」「携帯電話以下の機能じゃないか」「それで2万円以上の価格なんて売れるはずはない」。参加していた役員15人のうち14人が相次いで反対し、「待ちに待っていた商品だ」と絶賛したのは、ほかならぬ印南教授ただ1人だったという。

だから、ポメラをネットブックやiPhone+キーボードと比べるのはちょっと違うと思う。
「テキストを思いついたときすぐに、ある程度快適に、書きたい」
という要素を一番プライオリティの高い必要条件としてみた場合、これにかなうツールは今のところ僕は知らない。

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