2010年8月15日日曜日

劇場版はマントの色もオシャレ。

NHK-BS2の「999」特番最終日は、みずからテレビ版しばりをかけてるにもかかわらず劇場版「銀河鉄道999」を放送。
これだけは例外扱い、ってのはやはりテレビ放映時の公開であることと、これを抜きにしてアニメ版999は語れないからだろうなぁ。

劇場版はその興業的性質から対象年齢があがっているんだけど、主人公の年齢設定・容姿をあげることでそれに対応、というのが大胆。
また時間的制約もあって、原作をうまくズラしている(トレーダー分岐点=ヘビーメルダーだったり、クレアの死に方は一緒だけど場所が違うとか)けど、今回見直して一番の違いは劇場版の鉄郎が999に乗る理由は「母親のかたきである機械伯爵への復讐」であって「機械人間になること」ではない点。これ、見逃しがちだけど重要な点。

音楽もゴダイゴを起用したりと、「銀河鉄道999」というより「THE GALAXY EXPRESS 999」という感じに仕上がっている。

それにしてもここにでてくるハーロックが一番みんなが思うキャプテン・ハーロックだよね。
なんでハーロックが主人公の作品はいまいちか、ってのは、ハーロックは憧れられてこそ光るからなんだろう。「まんが道」における手塚治虫みたいなもん。
その点、とくに劇場版では憧れられまくりなのでピカピカ状態。セリフ数も少ないのにセリフ一つ一つが珠玉過ぎ。

「銀河鉄道999」って鉄郎の母親のエピソードはいやというほど出てくるんだけど、父親は小さい頃に死んでるのでまるで出てこない(「さよなら~」は僕の中ではナシなので除外)。
しかし松本零士本人が同じだったかというと全然違っていて、彼は父親のことを尊敬しまくってる。
これが、たとえば鉄郎→ハーロックへのあこがれやアンタレスで描かれてるんだろう。

また劇場版はエメラルダスの乙女っぷりも見所。追っかけのタイミング悪すぎ。

ちなみに、この劇場版第一作が放映されていた前後の年、って日本のアニメーションのピークのひとつだね。
「ヤマト」がヒットをうけて「劇場版999」(東映動画が虫プロ出のりんたろうを迎えたのも面白い)、負けじと元東映動画組の宮崎駿が「カリオストロの城」を作り、虫プロ系の富野由悠季がタツノコ出の大河原邦男をつかまえて「ガンダム」を作る……。
スタッフが入り乱れて、それまでの日本のアニメーションの総ざらいがこの数年で行われているんだなぁ。

そりゃ、ブームにもなるわ。

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