それは水島新司の「大甲子園」。
大甲子園 (1) (少年チャンピオン・コミックス)
水島 新司

ちょうど一年ぐらい前に偶然このマンガに出会った話は以前書いた。
ずっと読みたかったんだけど、引っ越したことでなんとかマンガをおくスペースも増えて、ようやくヤフオクにて大人買い。
「大甲子園」は「ドカベン」の続編であり、かつ、水島新司の高校野球マンガオールスター戦でもあるのだ。燃えないわけがない。
しかもベースとなっているドカベンのキャラもうまく使っていて、最初は県大会決勝から始まり、因縁の白新高校・不知火との対決から幕を開ける。
そういった直球の展開もいいんだけど、たとえば昨年の優勝校・通天閣高校が甲子園出場できなかったり、土佐丸高校を破った謎の進学校が、犬飼兄弟の末弟で頭脳派ピッチャーの知三郎を擁した元・明訓の徳川監督率いるチームだったりと、どう考えてもドラマが生まれるでしょ、という人物配置をしてくる。
作画的にも、コマの使い方で投球のリズムと打者がそれを捉えるテンポを気持ちよく見せてくれ、野球とは球を追うスポーツと言えるけど、球の流れがマンガにおける目線の誘導とうまく融合していて読んでいて「野球を見ている」臨場感がある。

しかし、このマンガの一番の魅力は会話にあると思う。
とにかく、みんなよくしゃべる。
対戦相手同士はもちろん、なぜかテレビ中継のアナウンサーと選手が対話していたり、テレビ中継を見ている他の高校の選手たちがごちゃごちゃ解説を入れたり、言葉が生まれるようなシチュエーションを抜かりなく用意している。
ここまでゲーム外のネームが多いスポーツマンガって珍しい。このあたりを継承しているスポーツマンガって、「キン肉マン」なんじゃないかな。
そしてそんなしゃべくりマンガの中で一番しゃべらないのが山田太郎で、ゆえにうるさいぐらいにしゃべりまくる岩鬼が、ある意味で主役なのは間違いない。
とくにこの「大甲子園」では山田太郎が意外と不振だったりして、岩鬼のここぞというところでの一発が印象深かったりする。
ちなみに、準決勝「球道くん」の青田高校戦は引き分け再試合なんだけど、どちらも地味な試合展開だったりする。
その反動か決勝戦がちょっとトンデモ野球マンガみたいになってて、やや「なんだこりゃ」な感はあり。
おまけ。

こりゃないだろ!
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