2010年8月12日木曜日

999にはどうしても乗ってしまう

NHK-BS2で放送の「全駅停車!銀河鉄道999ぜんぶみせます」。
999と聞くとどうしても気になってしまうのは三つ子の魂なんとやら、というやつか……。
それにしてもBS2、余命一年を切ったせいか、やりたい放題な気がする。いいけど。
銀河鉄道999 [Blu-ray]
松本零士
B0027ZCKAE

↑こちらは最終日放映の劇場版第一作。名作。

今回はメインがテレビ版の傑作選をメインに据えているのも自分にとってポイントが高い。

僕にとっての「銀河鉄道999」は、出来の良し悪しはともかくとしてこのテレビ版が主軸になる。子供の頃、なぜか風呂上がりの記憶とともに、このアニメはある。

今回の特集番組では裏話なども挿入されるんだけど、テレビ版の西沢プロデューサーがアニメ化するにあたって力を入れたところが2点あったという。
ひとつはストリングスやスキャットを多用した流麗な音楽の導入。
確かに手っとり早く「あの世界」にひたるには、青木望の担当したサントラを聴くのが一番だと、常々僕も思っていたのでこれはとてもよく分かる。
GALAXY EXPRESS 999 ETERNAL EDITION File NO.5&6 テレビアニメーション 銀河鉄道999
TVサントラ ささきいさお 杉並児童合唱団
B00005LCJH

そしてもうひとつは、高木均(ex.トトロの声!)による詩のようなナレーション。
新しい星に行く→見知らぬ人と出会い、事件が起こる→別れる→鉄郎の感想→メーテルの意味深な態度→それを総括するナレーション→エンディング「青い地球」→悲愴感ただようBGMにのせて車掌声での次回予告「~に停まります」、という黄金フォーマットは、いやがおうにも詩情あふれるものとなる。子供の頃、999を見ると不思議な気分になったけど、やっぱり意図したものだったんだなぁ。

そしてメーテルは、母でもなく姉でもなく恋人でもないポジションにいて、絶妙。これだけ色気のないヒロインも珍しいが、色気があると演出的に失敗だからこれは正しい。
ちなみに劇場版第一作の後半で立場的な事情から急に「乙女」になるのは、とても違和感がある。

「999」はやたらと印象に残っているエピソードとそうでないものとがあるけど、今回のセレクトには印象に残っているエピソード(たとえば「蛍の街」「枯葉の墓標」「大四畳半惑星の幻想」)や、友人が「こんな話があったよね」と言っていたエピソード(たとえば「C62の反乱」「これからの星」)も選ばれていて、楽しい。

今回見直して新鮮だったのは、貧困がテーマになっていることが多いことだ。
現在フィクションで貧困を描く、というのは少ないし、ギャグや単なる苦労話のオカズになることが多いけど、999では身近なものとして描かれていて、これは僕らの世代にはちょっと作るのは無理だなぁ、と思う。

細かいところでは、OP映像がマイナーチェンジするのも見所。「人は誰でも幸せ探す」のあたり、トレーダー分岐点に向けて出現車両が増えて(666とか888とか)、後半は宇宙に浮かぶ駅から各車両が出入りするというバージョンになっている。僕が一番覚えているのはこれだ。
アイキャッチも数種類あって懐かしい。

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