2008年9月14日日曜日

「蟹工船」よりこれを読め。

ちょうど僕が小学校高学年~中学生の頃にバンドブームだったんだけど、そもそも狭義のロックが風俗的にもサウンド的にも肌に合わないので、ここに出てくるバンドマンでファンだった人は皆無ではある。

バンドライフ―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集
吉田 豪
4862016146


森若香織/氏神一番/関口誠人(CCB)/ダイヤモンド・ユカイ/水戸華之介/中山加奈子/阿部義晴/いまみちともたか/BAKI(ガスタンク)/石川浩司/サンプラザ中野くん/サエキけんぞう/NAOKI(コブラ)/KERA/仲野茂(アナーキー)/MAGUMI(レピッシュ)/KENZI/イノウエアツシ/DYNAMITE TOMMY(COLOR)/大槻ケンヂ

あ、ウソだ。CCBは好きだった。
……ではあるけど知ってる人が多いし、なにしろ吉田豪印なので面白くないわけがない。

まず、とにかく驚くのが、全盛期もたいして儲かってないこと。
給料制だったり、それもかなり低額だったり、印税という概念をしらされてなかったり。ロックはビジネスじゃない→ビジネス面に目を向けさせない→搾取、という図式が多い。
現在、バイトしてたりする人すらいるのが読んでて凹む。

一発屋だと一発があるからそれをなんとかすれば食っていくことができる。でもバンドマンは「一発」もほとんどないし、あっても小さい。芸人のように「存在感の一発」があっても、もともとテレビの人ではないからうまくやっていけなかったりする。氏神一番とかがその例。逆に成功例はデーモン小暮か。

バービーボーイズのコンタが暗黒舞踏とか寺山修司好きのアングラ気質だった、とか思わずメモりたくなる細かいエピソードも満載。
サエキけんぞうの「サブカルは食えないしなぁ」「上下関係ある人たちは売れますよね」は名言。
一番印象的だったのはNAOKI(ex.コブラ、ラフィンノーズ)。話の内容はかなり引くんだけどこの人の持ち前の明るさで救われてる。ラフィンノーズの事故の話は泣けた。

また、「バンド」という言葉が「絆」を意味するのかが、分裂・解散のエピソードを聞くと逆によく分かる。ユニコーン阿部義晴の話とか。
何人かが言っているけど、長く続くバンドは「ビジネス」と思っている場合も多い。そう思わないと絆はなかなか続かないのかも。子どもの頃、大半のお笑いコンビは私生活はとくに仲良しではないというのを聞いたときにびっくりしたけど、会社員になった今、それはよく分かる。
仕事で一緒にうまくやっていくこと(=ビジネス)と「絆」というのはやや違うなぁ、と。「信頼」に近いかなぁ。

��

さてさて、同じ吉田豪によるB級アイドルインタビュー集がまさかの新潮文庫入り。

元アイドル! (新潮文庫 よ 31-1)
吉田 豪
4101348715


しかし、ボーナストラックどころか、いくつか本人の要請でインタビューが削られていて、購入見送り。こういうこともあるのか。

0 件のコメント:

コメントを投稿