2006年10月22日日曜日

「日本プラモデル興亡史」

日本プラモデル興亡史―子供たちの昭和史
井田 博
4167679892


北九州の模型店経営から本邦初のプラモデル雑誌「モデルアート」を創刊した著者の回想録。
模型店といういわば営業サイドの「日本模型史」という視点もなかなか面白くて、人気商品がガバチョと入荷して飛ぶように売れていくという描写はこういう人じゃないと書けないよなぁと思わせられる。

僕の世代だとプラモデルといえばガンプラだけど、それ以前にも怪獣&キャラクターもの、スロットカーなどいくつかのムーブメントはあった。でも一番最初はこの本を読むと模型飛行機だったようで、それもいわゆる飾って楽しむソリッドモデルではなくて、実際に飛ばすことができるもの。
この本で何度か書かれているけど、日本の模型はヨーロッパと違ってギミック重視なのは、このルーツにあるのではないか。
確かに、スロットカー、ミニ四駆などは走るし、戦艦、車、戦車なども昔はモーターやゼンマイで動くのがふつうだった。ガンプラだって動力こそないけど各関節が動くようになっている。
逆にいうと、日本でプラモデルは模型というよりおもちゃの延長線上として受け入れられたということで、逆に海洋堂なんかは「模型」を重視した結果、プラモデルではなく食玩という道を選択したとも思える。

造形集団 海洋堂の発想
宮脇 修一
4334031609

↑その辺を知るにはこの本がいいでしょう。

この本の読みどころとしては、タミヤ登場以前の、プラモデルがどう成立したかという部分。たとえばマルサンなど昔の大手メーカーが倒産した理由とかが分かるのが面白い。

タミヤ登場以降に関しては、本家が書いたこちらとセットで読むのがいい。

田宮模型の仕事
田宮 俊作
4167257033


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