2006年10月6日金曜日

小説を読むリハビリ

「魔女っ子メグちゃん」ってキューティハニーのスピンオフ作品、って有名な話なの?全然知らなかった。

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最近はめっきり小説を読まなくなって、というのも最近の小説の主流はミステリなのに僕はミステリ音痴なのでその周辺が全滅というのが大きい。
そんな僕が久々におっ、と思って買ってみたのがこちら。
劇場でアニメ映画「時かけ」を見たときに、これを原作にしたアニメ映画(監督:今敏)の宣伝が流れていて、初めてこの作品のことを意識したんだけど、「残像に口紅を」みたいな実験小説と思いきや、全然違っていてエンタティンメント作品だった。人の意識(夢)にジャックイン……ってわりと興味ある内容だったので、本屋で見つけて分厚いけど大丈夫かなぁと思いつつ購入。

パプリカ
筒井 康隆
4101171408


筒井康隆は数冊しか読んだことなくて、「朝のガスパール」とかは発想に興奮しつつ読んでみたらなんかとっちらかっててガッカリ、てな印象だったので、このところやたら映像化されたり(「時をかける少女」「富豪刑事」「日本以外全部沈没」「パプリカ」)、傑作選が出てるけどふーんとか思ってた。
あ、「時かけ」だけは映画の原作として読んだけど、筒井作品という意識は薄かったなぁ。

ちょっと読んでみたらそのままぐいぐい最後まで読んでしまった。
正直、ストーリーとかそれほど面白いわけじゃないんだけど展開がスピーディで、キャラも変人ばかりなのにイヤな感じがしなかったりと、うまいなぁと思わせられた(って大御所に失礼だけど、僕は筒井康隆にそういう感想を持ったことがなかったので)。女性はいやがりそうだけど、主人公もいいですね。アニメ映画はぜひみたい。
読んでいるときは中島らもの傑作「ガダラの豚」を何度も思い出した。別に内容が似てるというわけじゃなくて(あ、でもプロットはちょっと似てるかも)、ああいう面白さということ。

この手のバーチャル世界を扱った小説は割と好きで、「いとうせいこう/ノーライフキング」(ちょっと違うか) 「柾悟郎/ヴィーナスシティ」「草上仁/お父さんの会社」「川端裕人/SOUP」「森博嗣/すべてがFになる」あたりはどれも面白かったなぁ。



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調子に乗ってもうちょっと小説を読んでみようと、たまたまフェアで平積みされてたので買ったのがこちら。
魂の駆動体
神林 長平
4150306346

神林長平は「あなたの魂に安らぎあれ」を読んだと思うんだけど、やや難しい小説を書くイメージがあった。
けれどもこの本は自動車に関する内容で、前半は人が電子化もできつつあるという近未来に、1970~80年代の車にあこがれる老人とその友人が自分で車を設計するという話。正直、会話内容が全然老人っぽくないとか、文章自体にあんまり魅力がないなぁとか不満点はあるんだけど、彼らの車談義が面白いからOK。僕は本物の車に関してはろくに知らないんだけど、それでも車の魅力とは何か、という2人の会話を聞いているだけで楽しかった。
ただし、遠い未来の別の主人公の話になる第2部がどうもノレず、そこで挫折。
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と思っていたところで、前から読んでみたいと思っていたこちらが新潮文庫で再刊されたので挑戦。
八月の博物館
瀬名 秀明
4101214336

結論から言うと、かなり序盤で挫折。
この小説、藤子F不二雄へのオマージュ的作品で、構成自体が大長編ドラえもんライク。実際、主人公の少年がテレビのドラえもんを楽しみにしているという描写や、友人と2人で同人誌を作っている、「満月博士」(c.f.「魔界大冒険」)などなど、確かにそういう部分はフックになるんだけど、どうも瀬名さんの文章は僕にとってはくどい。読んでてもなかなか進まない気がするのだ。
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こうして考えると、僕が考える「小説的うまさ」があり、できれば現代を舞台にしていて、ちょっとだけ現実から逸脱するような小説が読みたいんだよなぁ。残念ながらなかなか見つけられないんだけど。

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