2009年8月30日日曜日

コンセプトは「中の人などいない」

はっきり言って初音ミクムーブメントって、面白いとは思うけど、あんまり興味はなかった。

昨今のネット特有のネタ文化、たとえば「痛車」みたいな盛り上がり方がちょっと苦手なのだ。やってること自体には否定的ではないんだけども、ネタ振りありき、ってのがちょっとイヤ。

とか思ってたけど、こいつにはやられた……。

Hatsune Miku Orchestra
HMOとかの中の人。(PAw Lab.)
B002C006SW


もちろん元ネタはこれなんだけども、

イエロー・マジック・オーケストラ(US版)
YMO
B00007KKZ2


初音ミクにYMO、ってあまりに直球過ぎて考えたこともなかった。
そして聴いてみると、これが面白いんだなぁ!

そもそもYMO、特に初期は「匿名性」というか「どれだけ音楽を肉体性から離れさせることができるか」という実験でもあったと思うんだけど、そのコンセプトと「VOCALOID」はとても親和性が高い。

それにもかかわらず、「初音ミク」の歌わせ方がボコーダー的ではなく、たとえばオリジナルYMOのライブでのボーカルアレンジを引用したりと、意外と「歌わせている」のが興味深い。
バーチャルだからこそついつい肉体性を求めちゃうのか分からないけど、このアンビバレンツも魅力的。声から身体が立ち上がってくるような立体感を感じる。

また「歌ありき」というしばりがあるから、選曲が今までのカバーアルバムとはちょっと違うのもよい。
「EXPECTING RIVERS」「KEY」「過激な淑女」「LOTUS LOVE」とかあんまり取り上げないでしょ。
そもそも女声ボーカルでYMOを聴く、という体験自体が新鮮。「YOU'VE GOT TO HELP YOURSELF」「ONGAKU」なんかはそのせいもあってかなり好き。

まぁ、元がガッツリとボーカルものだったらここまですんなり聴けないのかもなぁ。
この「カタコトしか話せない帰国子女的なたどたどしさ」って愛玩性につながるんだろうか。「声」がこれだけすんなり1つのキャラクターとして受け入れられたのは、もちろんイラストレーションの秀逸さもあるだろうけど、そういった面もあると思った。


マスタリングが本家・小池光夫氏、ってのも面白いね。

本家といえば、最近YMOがライブで昔の曲をやってるけど、あれも言ってみればカバーっぽいよなぁ。やっぱり新曲よりも面白いよね。
ただやっぱりこうしたピコッてるYMOを今までとは別の形で聴きたい(ex.ライブ、秘蔵音源、リミックス)、という欲求はけっこう根強い。
もし本家がこういうことやろうとしたら、たとえば木村カエラなんかを連れてきちゃって、「ちょっと違う……」とかなるんだろうなぁ。

初音ミクでクラフトワークもやったら面白そうだね。と思ったらやっぱりあった(笑)。


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それにしても久しぶりに買ったYMO関連商品だった。
数年前はかなり買っていたけど、最近はチェックすらいい加減な状態。
そうしている間に本家も再結成に近い状態になったけど、「ふ~ん」という感じ。
もっとも以前に比べればアイテム自体もそんなに出てないけど、以前はすごかった。
同一アーティストによる一枚丸ごとのカバーアルバムだと
・イエロー・メタル・オーケストラ/メタル・サービス (1998)
・YMO & 爆笑問題+長井秀和/X∞増長(1998)
・コズミック・ヴィレッジ/NICE AGE (1999)
・Yセツ王(2001頃)
・RESONANCE-T/YMO TRANCE(2002)
・といぼっくす/Acoustic YMO (2005)
・セニョール・ココナッツ/プレイズYMO(2006)
・anonymass/anonymoss(2008)
カバーコンピレーションだと
・NEO TECHNOPOLIS 繁殖(1992)
・WHO'S YMO(1993)
・YMOのカバ(1993)
・TRIBUTE TO YMO(2004)
REMIXはきりがないけど、有名どころで
・HI-TECH/NO CRIME
・TECHNOPOLIS 2000-01、2000-00
この手ので一番好きだったのはカバーやリミックスではなくパロディの
・OMY(1996~1997)
O.M.Y.(オリエンタル・マグネティック・イエロー)
ORIENTAL MAGNETIC YELLOW
B00005FQKV

かなぁ。音とかアレンジはYMOなんだけど、メロディがなんか違う、っていう。一瞬別次元に飛んだような面白さがある。

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