2011年4月1日金曜日

ずっと「バウワウ」だと思ってた

これまで「なぜ藤子F作品にはほとんど単行本になってない作品があるんだろう?」と思っていたけど、現在小学館が刊行している藤子・F・不二雄大全集によってそういう作品がまとめて読めるようになった。


藤子F信者といえど、藤子先生の作品に傑作とそうじゃないものがある、というのは認めている。
やはり全集の中でもマイナーな作品というのは、なるほど、たいてい面白くない。

前に書いた「ドビンソン漂流記」もずっと読んでみたかったけど、いざ読んでみると面白くない・・。

そして今回刊行された「バウバウ大臣」も小学館の学習雑誌というメジャー媒体に連載されながらも、面白くない・・。

どちらも宇宙から闖入者がやってくる、という「ウメ星デンカ」みたいな内容なんだけど、
「ドビンソン漂流記」の場合、最後まで宇宙人ドビンソンが主人公たちを見下していて仲良くなる感じがない。
「バウバウ大臣」も、バウバウが一方的に主人公を自分たちの王子だと言いはって迷惑かけることが多くて、主人公は最後までバウバウを厄介に感じている。

「オバQ」から始まるこういったタイプの作品の場合、やはり主人公と闖入者が絶妙な関係を作れないと成功しない。

だから、「ドビンソン漂流記」のあとの連載である「キテレツ大百科」では、同じ「発明」を取り入れても「発明をするのは主人公(英一)、それをひっかきまわすのが闖入者(コロ助)」にしている。

「バウバウ大臣」は誰が読んでも「チンプイ」の原型になっていて、「チンプイ」では高い能力を持つ「ミウミウ女官」にあたる宇宙人を闖入者(チンプイ)とし、単にめんどくさいだけの「バウバウ」は時々やってくるワンダユウにしてうまく整理している。
チンプイは、主人公エリとうるさいワンダユウの中立的立場なので、チンプイとエリの関係性が絶妙なのだ。

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ところで「バウバウ大臣」で面白いというか珍しいのが、そのヒロイン。
bowbowdaijin.jpg
藤子F作品のヒロインでこの「目」は他にないんじゃないのか?
なんかすごい脇役の「目」だよなぁ・・。読んでて「え、この娘がヒロインなの?」とびっくりした。

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