2008年4月5日土曜日

バブル二世

最近、なんかバブル時期を振り返る内容のものをいくつか立て続けに見たり読んだりした。

バブル期、というのは僕が中学生から高校生ぐらいの頃だったんだけど、大学に入学した直後に先輩たちが「バブル崩壊だ~」とか言っていて、むしろそれで「バブル」という言葉を意識したぐらいだった。

今思うと僕はこのバブル期のチャラチャラした文化というのがイヤでイヤでたまらなかった。僕は確かに文化系タイプで根性なんかとは無縁ではあったけれども、田舎のオタクってほら、言ってみれば硬派じゃないすか(笑)。だから軽薄な感じがとても受け入れられなくて、イヤな時代だなぁと思っていた。

それが上京したらあっさりと状況(お、シャレか!?)が変わっていて、わりと過ごしやすくはなっていた。もちろん、入った大学が私立とはいえややダサめな学校だったというのは、あるけども。

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さて、具体的にバブル時期を振り返った作品というのはやはりホイチョイの

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
馬場康夫
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オススメでも何でもないから商品リンクはあえてしないけど(笑)、この映画を観ていても、うわ、バブルはだせぇなぁと思う、やっぱり。あの時代に大学生じゃなくてホントによかったと思う。

テレビでは、NHK-BSのシリーズ「日めくりタイムトラベル」の2月2日放送分が「昭和58年(1983)」で、バブルではないけどそこにつながる雰囲気はこの頃からあったのだなぁと思った。カフェバーとかね。
もっともバブルは1986年末から始まったらしいけども。

あ、そういえば昨年末にやってたイカ天の特番もバブルの空気を感じさせた。皮肉にもBEGINなど今も生き残ってるのはそういう空気をまとってないバンドが多い気がしたが。

さて、そんな中でも意外にもかなり面白かったのがこちら。

アッコちゃんの時代 (新潮文庫 は 18-12)
林 真理子
4101191220


林真理子の本は初めて読んだけど、ぐいぐい読まされた。
というのもこの本、小説ではあるけど半分はノンフィクションだからだ。
そのあたりはこことかここを読めばいいんだけど、僕もこの「アッコ」という女性のモデルになった人には興味があった。

林真理子は、プロフィールだけを見るとかなりビッチな主人公の女性を、でも不思議と感情移入させて読ませる。読んでいるとそれなら仕方ないなぁ……とか思ってしまうのだ。前半なんかはちょっと岡崎京子が描く女の子の心理を思い出させたりした(って岡崎ファンに怒られそう)。

しかし、後半になってもっと面白くなるのは五十嵐英雄という名で川添象郎が描かれることだ。僕は前にこの彼の父である川添浩史(その父は歴史の教科書にも出てくる後藤象二郎)のことが書かれた本を読んで、

キャンティ物語 (幻冬舎文庫)
野地 秩嘉
487728494X


川添象郎にも興味を持っていたんだけど、そもそも彼の名はYMOのプロデューサーということで知ってはいた。育ちがいい人が持つ特有の「悪びれない悪さ」ってのが、読み物や評伝としてはとても面白いのだ。
妻に風吹ジュンがいながら、アッコとつきあい、果てには結婚。そして長らく別居状態だったけど、最近離婚。何度もドラッグ関係で逮捕されていたり、彼がプロデュースしたミュージカル「ヘアー」はいろんなスキャンダルがつきまとっている。

「ヘアー」めぐる麻薬騒動

昭和45年2/26午前7時、ミュージカル「ヘアー」制作のアスカプロなどに捜索が入り、プロデューサー象太郎こと川添象郎(28)、主演俳優の寺田稔(28)、幹部俳優の元ザ・タイガースの加橋こと高橋克己(22)、フィリピン人のバンドマン、エディことオーツーノ・エドモンド(20)がハッシシ(大麻樹脂)を使ったとして逮捕された。「ヘアー」は昨12/5に渋谷の東横劇場で開演、招待客310人には三笠宮、舟橋聖一、三島由紀夫、石井好子、大仏次郎、千宗室、田宮二郎、丸山明宏、柴田錬三郎、渥美清らがいた。海外では舞台で全裸になるという話題ばかりが先行した舞台だったが、特にハプニングもなくかなり肩透かしな内容だったという。実際は本場での公演は、ラストで客が舞台に連れ込まれ、踊りながら全裸になるというのが売りだった。2/25に東京公演が終わっており、それを待っての一斉逮捕で、3/1からの関西公演は中止となった。川添はジャンパーにハッシシ140グラムを持っており、20万円で買ったという。1/20には港区南麻布5の川添の自宅の応接間でハッシシパーティが行われており、昨10月から4、5回、こうした事が行われていたという。3/20までには安井かずみ(29)が昨8月下旬、文京区春日の自宅でハッシシ1グラムを川添らと回しのみしたとして逮捕された。「ヘアー」がらみの大麻逮捕者は安井で9人目だった。

http://www.geocities.jp/showahistory/history05/topics45a.html


そんな川添象郎を小説化してるんだから面白くないわけがない。後半は、主役であるアッコを喰ってる印象すらある。
前半に出てくる、アッコを囲った地上げの帝王、早川興産の社長早川佐吉(最上興産の早坂太吉がモデルとか)もバブルを象徴するような人物だけども、バブルという泡の真ん中には、やっぱり川添象郎みたいな人がいて、泡がはじけようが関係なく浮世離れした生活をしてるんだなぁ!

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