ニセモノはなぜ、人を騙すのか? (角川oneテーマ21 C 135)
中島 誠之助

でもこの本を読むと、あのオッサン食えないなぁ!と思わされるし、骨董の世界はかなりカオティックな世界であることが分かる。
とにかくこの本、言ってることが矛盾だらけなのだ。
よくできたニセモノの存在を必要悪的に肯定しながら、ガラクタレベルのニセモノは断固として認めない、という変な理論を展開する(いや、読むと言いたいことは分かるんだけど納得はしがたい)。また師匠でもある養父が作ったレベルの高い贋作のエピソードを、師のレベルの高さを評価するために出してきたりもしている。おいおい、いいのかこれ!?
骨董の勉強だけしてないでいいものを見るように努力しろと言いつつ、歴史などなどを勉強しないとだめだという。
また自分の目だけを信じろと言いつつ、ものについている「付加価値」は大事だと語る。
読んでてけっこう混乱した。あれ、さっきと言ってること違わない?と。
もっともそうした矛盾を内包しているからこそ面白いんだろうけど。彼自身が言うように骨董の世界は魑魅魍魎が跋扈する世界に違いない。
他にも面白いウンチク話もたくさん入っていておいしい。
鑑定家と骨董商の違いや、コレクターと目利きの違い、鑑定書・箱書きとは何か、とか。箱書きってのは「誰それリコメンド!」っていうレコード屋のキャプションみたいなもんなんだなぁ。
あと、骨董を見る際にはそれが生まれた時代の照明で見た方がよさが分かる、という話はなるほど。
いやぁ、ほんといい仕事だわ、ヒゲの人。
余談だけど、この本は新書でありがちな聞き書きだと思うが、話題が重複してたり時々だけど文章が話口調になるのはどうにかならんのか>ゴーストライター。なんか聞き書きだと分かってガッカリするんだよなぁ。
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さて、骨董を買う側の本ではこれが面白い。
この骨董が、アナタです。
仲畑 貴志

小西康陽氏も「QUICK JAPAN vol.42」の「小西康陽が小西康陽になるために読んだ100冊」の中で取りあげており、曰く「白州正子や青山二郎の本を読んだ後だったから面白かった。DJの話と置き換え可能」だそうな。
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そういや、今一番新刊を楽しみにしてるこれの5巻がやっと出た。
へうげもの 5服 (5) (モーニングKC)
山田 芳裕

次巻で「北野大茶会」らしい。
あと「度胸星」が講談社から再刊だってさ。
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